よくある質問

FAQ

当事務所へお寄せいただくよくあるご質問をまとめました。

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こちらに記載のないご質問については

お電話、またはメールにてお問い合わせ下さい。

◆当事務所に関するご質問

相談だけで依頼しなくても大丈夫でしょうか?

はい、大丈夫です。ご依頼前の初回の面談は一般的な手続きや申請要件についての簡単な説明をさせていただくため、原則無料としております。必ずしもご依頼をいただく必要はございません。初回面談時にご依頼をいただける場合にはその場で必要な提出書類などの具体的なお話もさせていただいております。当事務所に依頼せず、ご自身で申請するために具体的な相談のみをご希望の場合には別途1時間5,500円(税込)を頂戴しております。

相談の受付時間は何時までですか?

当事務所では、平日お電話の場合には10:00から18:30まで、メールの場合には24時間受け付けております。他のお客様との打ち合わせや外出等のため、電話をお受けした時点ではすぐには対応できなかった場合には当事務所より折返しご連絡させていただいております。相談のための面談の日程は平日18:30以降や土日祝日でも可能です。メールでのご返答はできるだけ早く行いますが、1~2営業日いただくこともあります。ご了承ください。

無料での相談でも必要な提出書類が何か教えてもらえますか?

申し訳ありません、無料でご相談いただけるのはあくまでも一般的な手続きや申請要件についての簡単な説明などになります。そのため、お客様の手続きについての必要書類のリストアップ又はお客さまが作った申請書類のチェック、どうすれば許可になるかの質問や不安な点に関するアドバイス等については1時間5,500円(税込)の有料でのご相談とさせていただております。もっとも、面談の際にご依頼いただいた場合にはこういったご質問も無料でお答えいたします。

支払の仕方はどのようになっていますか?また、途中で依頼をキャンセルした場合にはどうなりますか?

当事務所では、原則としてご依頼時に当事務所への報酬の半分と法定手数料などの費用を着手金として頂いております。お支払い方法は、銀行振り込みでお願いしています。後にビザが交付されましたら残額を成功報酬としてご精算いただいております。また、「技術・人文知識・国際業務」のような就労系ビザ申請の場合、もし最終的に不許可となってしまった場合には全額ご返金いたします。ただし、申請の前後に関わらずお客様の都合でキャンセルされた場合にはご依頼時の着手金は原則としてご返金しておりません。なお、「永住許可」、「帰化申請」の場合には返金対応は行っていません。永住許可の場合にはすぐにリカバリーできる状況であれば無料で再申請をいたしますが、帰化申請の場合は一度不許可になるとすぐには再申請ができません。不許可になった原因の分析のみを行います。ご了承ください。

知り合いの外国人からビザ申請の依頼を受けていますが、手続きをお願いできますか?

ビザ申請ができるのは法律で次の方に限られています。

1)

申請者(外国人)本人
2)

外国人社員を受け入れる会社などの社員や、日本に居住する本人の親族等の代理人
3)

16歳未満の子どもの申請における両親等の法定代理人
4)

地方入国管理局に届け出た弁護士、行政書士等の申請取次者

 行政書士はあくまでも取次者ですので、上の(1)~(3)の入国しようとする外国人の方本人若しくはその代理人の方からの直接のご依頼に限らせていただいております。

◆申請全般に関するご質問

在留資格・在留期間とは何ですか?

”在留”とは外国にとどまり、住むことを指します。そして、在留資格とは外国人の方が日本で行うことができる活動や日本に滞在することが許可される身分や地位について類型化したものです。在留資格ごとに就労できるかどうか、また就労できるとしてどのような仕事に就くことができるかなどの日本での活動内容について制限がされており、日本に在留する外国人の方は許可された在留資格で定められた範囲内で活動を行うことができます。一方、在留期間とはこのような在留資格をもって在留する外国人の方が日本に在留することができる期間の事です。許可される在留期間は在留資格ごとに定められています。例えば、就労系の在留資格の場合には在留資格取得時に1年、初回更新時に1年、2回目の更新時に3年の在留期間になるのが通常です。これは、外国人の方が日本に来日してからしばらくの間は在留期間を短くすることにより、入国管理局が外国人の方の日本での滞在状況を細目にチェックするためです。

ネットで調べると”技術・人文知識・国際業務ビザ”や”技術・人文知識・国際業務の在留資格”のように同じ技術・人文知識・国際業務でも表現が分かれていますがこの2つは別の物なのでしょうか?

結論から言うとその2つは同じものです。本来、ビザはその外国人の方が日本へ入国しても大丈夫だという在外公館からの推薦状のようなものを意味し、”在留資格”は外国人の方が日本に入国・滞在し所定の活動をすることを日本国政府が認める滞在許可のことを指します。このように”ビザ”と”在留資格”とは全くの別物ですが、世間ではこの2つを同じような意味として用いられることが多く、どちらを意味しているかは前後の文脈から判断するしかないのが現状です。当事務所のサイト内でもわかりやすさを重視し、在留資格を”ビザ”と表現している所も多数あります。

在留資格にはどのようなものがありますか?

「在留資格」は外国人の方が日本で活動するの際に必要になる”資格”の事です。この在留資格は大きく分けて「居住資格」と「活動資格」に分けられます。「居住資格」とは、身分または地位に基づく在留資格です。身分系資格という事もあります。身分系の在留資格には「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」の4種類があります。これらの在留資格は、日本に長期間住んでいたり、日本人や永住者の方と結婚することによって取得条件を満たすことのできる在留資格です。居住資格・身分系資格は就労の活動内容に制限がないのが大きな特徴です。これに対し、「活動資格」は就労ビザを代表とする在留資格です。「外交」「公用」「教授」「芸術」「宗教」「報道」「投資・経営」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「介護」「興行」「技能」「特定技能」「技能実習」「高度専門職」等があります。この分類は主に日本で許可される活動の種類によって分類されています。そのため、この活動資格では日本に在留中に行うことができる活動内容が各在留資格に認められた範囲内に制限されます。

申請の際どのような書類が必要となりますか?

必要最低限の書類については入国管理局のHPで公開されています。しかし、ここに掲載されているのは申請を受理してもらえる最低限の資料です。実際にはお客様の状況によってはさらに書類が必要になる場合が多々あります。提出が必要な書類が不足したまま申請してしまうと、いきなり不許可になるか、そうでなくとも追加資料提出通知書が届き対応に追われることになります。提出書類などをインターネット等でお調べになる方は非常に多いのですが、インターネットでの情報も正確性に欠けるものや、情報が古いものも多々あります。ビザ申請は専門の人間に直接聞くのが最も確実です。お気軽にお問い合わせください。

在留資格の変更や在留期間の更新など、ビザの申請はどこですることができますか?

基本的には申請する外国人の方の住民票が置いてある地域を管轄する地方入国管理局、または出張所などで申請します。現在は海外にいて日本に住所がない場合には原則として外国人の方の居住予定地を管轄する入管に申請をします。在留資格認定証明書交付申請であれば、就労ビザの場合には勤務地を管轄する入管に、留学ビザの場合は入学する予定の学校の所在地を管轄する入管に、配偶者ビザであれば日本在住の日本人配偶者の住民票がある場所を管轄する入管にも申請をすることができます。在留資格の変更や在留期間の更新の場合には原則通り申請する外国人の方の住民票が置いてある地域を管轄する地方入国管理局、または出張所などが管轄になるのでご注意ください。

申請から結果が出るまでどのくらい期間がかかりますか?

入国管理局に申請をしてから許可の交付までは法令で標準の処理期間が定められています。この期間は出入国管理局のHPで確認することができます。例えば、在留資格認定証明書の交付申請は1か月~3か月、在留期間の更新及び在留資格の変更申請で2週間~1か月です。永住許可申請では4~6か月となっていますが、それより長くなる場合もあります。帰化申請については標準審査期間は定められていません。おおよそ1年ほどかかると考えて良いと思います。

更新許可申請は在留期限の何か月前からすることができますか?

6か月以上の在留資格をお持ちの方であれば3か月前から更新の申請が可能になります。ただし、入院、長期の出張などの特別な事情が認められる場合には、3か月以上前からであっても申請を受け付けることもあります。”特別な事情がある”と認めるか否かは個別のケースごとに判断されますので、この場合には事前に申請される地方出入国在留管理官署へ直接お問い合わせください。また、在留期限直前に申請し、結果を受け取る前にその期限が来てしまった場合でも、特例としてその結果が出るまでの間は期限が切れる前のビザを有効のままとして扱う”特例期間”というルールがあります。現在申請をしていることは申請を受理されたときに窓口で渡される申請受付票や在留カード裏面に押されるスタンプなどで証明することができます(通常はパスポートにクリップ等でとめた形で渡されます)。

更新許可申請の際に許可される在留期間はいつから起算されるのでしょうか?早めに更新してしまうと損になることはあるのでしょうか?

結論から申しますと、早めに更新手続きをすることで損をすることはありません。更新申請で許可される在留期間は今お持ちの在留資格の在留期間満了日の翌日から起算されます。例えば2021年4月1日が在留期限の方の場合、6か月以上の在留資格をお持ちの方であれば3か月前の2021年1月1日から更新の申請は可能になります。この際、1下旬に更新申請をして2月中旬に在留期間3年の新しい在留カードを取得した場合の在留期間は2024年4月1日までになります。このように早めに更新申請をしたからといってマイナスになる要素はありません。更新申請は毎回それまでの在留状況を踏まえて許可の可否が判断されます。一日のスケジュールや職務内容説明書などの追加資料の提出が必要になる場合もあるでしょう。早めに手続きをすることをお勧めいたします。

提出する書類が外国語で作成されている場合、その翻訳した書類をあわせて提出する必要がありますか。

申請するビザの種類にかかわらず、出入国在留管理局に提出する書類が外国語で作成されている場合にはその文章の日本語訳をつけるというルールが法定されてるため、原則として提出する書類を翻訳した書類の提出が併せて必要になります。その際、翻訳者の署名が必要とされてはいます。しかし、実際には提出した書面が英語の場合には日本語訳がなくとも何事もなく申請が通ることがありますし、また通常の申請では翻訳者の署名がなくとも許可は下りています。”署名ありの日本語訳をつければ間違いはない”といったところでしょうか。また、入国管理局の方のお話では訳文しか提出しない方もいらっしゃるとのことです。「外国語文書+訳文」なのでご注意ください。原本も提出する必要がります。なお、帰化申請の場合には翻訳者の署名は必須です。その際、氏名だけではなく翻訳書の住所や翻訳した年月日、さらには押印を求められることもあります。

今年の4月に他の市から現在住んでいる市に引っ越してきたのですが、提出書類にある「住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)」とはどこの市役所で発行してもらえばよいのですか?

住民税は毎年1月1日現在で住所がある市区町村で課税がされます。したがって、4月に他の市から引越しをされた方の場合には住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書は前住所地の市区町村で発行してもらうことになります。引っ越し前の住所が遠距離であったり、忙しくなかなか直接市役所に行って証明書の交付請求をすることが難しいという方のために、多くの市区町村では郵送での証明書の請求にも対応しています。請求先の市区町村Webサイトをご確認ください。また、マイナンバーカードを利用することでコンビニでこれらの証明書を取得できる市区町村もあります。しかし、住民税の課税(又は非課税)証明書の取得はできたとしても、納税証明書の取得ができない市区町村もあります(例:2023年12月時点の目黒区)。ご注意ください。

先日はじめてビザの更新をしたのですが、2週間程したら入国管理局から「通知書」というものが来ました。○月○日までに入国管理局に来るようにと書かれていますが許可・不許可については一切かかれていません。どういうことなのでしょうか。

ビザ申請の際、入国管理局にから届く申請結果の通知書には申請が許可されたのかどうかは書かれていません。これは、仮に不許可と明確に記載してしまうと通知を見て逃亡する外国人の方がいるためだと言われています。とはいえ、申請書に書かれた他の情報から申請が許可されたか否かを予測することはできます。具体的には、更新申請の場合はがきに書かれている【必要なもの】の欄に収入印紙4,000円の欄がありますが、ここに”1”などの数字が記載されていれば許可の可能性が高いと思われます。この収入印紙4,000円は、更新の手続き費用です。不許可の場合にわざわざ用意させる理由がありません。ただし、はがきが来た際に、現在お持ちの在留期間が過ぎていて特例期間に入っている場合には出国準備の「特定活動」ビザへ変更するための手数料である可能性もありますのでご注意ください。

日本に滞在しています。将来帰国するつもりなのですが、それでも国民年金に加入すべきなのでしょうか。

日本に住む20歳以上60歳未満の方は、国籍を問わず日本の公的年金制度である厚生年金保険または国民年金に加入する必要があります。このうち、国民年金に加入する必要がある方は厚生年金保険に加入しておらず、かつ厚生年金保険に加入している方に扶養されていない方になります。保険料の納付や受給資格については日本といくつかの国では「社会保障協定」が結ばれており、該当する国籍の方は母国と日本のどちらかにこのような社会保険料を納付すれば良く、年金受給資格についても母国と日本で合算できるようになってます。また、将来的に母国へお帰りの方の場合に収めた年金の保険料が無駄にならないように「脱退一時金」という制度もあります。脱退一時金とは日本で年金保険料を既に納めた方が帰国した場合に無駄になった保険料の代わりに一定の金額を返してくれる制度です。こちらは純粋に日本単独の制度であるため日本と「社会保障協定」を締結していない国の国籍をお持ちの方でも利用することができます。

現在「日本人の配偶者等」の在留資格で日本で暮らしています。母国であるアメリカに一時帰国しようと考えているのですが、入国管理局に対して何らかの手続きをする必要はありますか?

外国人の方が何の手続きもないまま日本を出国すると、原則としてその時点で所持している在留資格とともに日本に滞在できる残りの在留期間も消滅してしまいます。これは技術・人文知識・国際業務のような就労ビザだけでなく、日本人の配偶者等や永住者のような身分系の在留資格でも同様です。この点、日本を出国する前にあらかじめ「再入国許可申請」をしておけば出国から再入国まで在留資格および在留期間が継続しているものとみなされます。したがって、外国人の方が一時的に帰国する場合、原則として入国管理局に対して「再入国許可申請」する必要があります。ただし、ごく短期間だけ出国するような場合のために、「みなし再入国許可」という制度があります。みなし再入国許可とは、日本に在留資格をもって在留する外国人の方が出国の日から1年以内に再入国する場合には原則として通常の再入国許可の取得を不要とするものです。

在留資格認定証明書(COE)の申請を考えています。COEの交付後は外国に住む申請人に原本を郵送すれば良いのでしょうか?

令和5年3月17日から、在留資格認定証明書(COE)を電子メールで受領することが可能となりました。これに伴い、従来通りの紙で在留資格認定証明書を取得した場合についても、原本ではなく、写しを提出することで外国の日本大使館・領事館での査証申請や日本の空港での上陸申請を行うことが可能になりました。そのため、紙の在留資格認定証明書をPDF等のデータに変換し、海外の外国人本人にメール等で送信して手続きに用いることができます。在留資格認定証明書には有効期限があり、発行から3ヶ月以内に日本へ入国しなければならず、この期限を過ぎると無効となります。郵送の場合にはEMS(国際スピード便)を用いても届く日数には開きがあったため、非常に便利になったと言えます。なお、紙の在留資格認定証明書の写しについては、表面と裏面の両面をカラーで作成してください。

私にはミドルネームがあるのですが、申請書に氏名を記載する順番に何か決まりはありますか?

在申請の際に間違えやすいことの一つに氏名表記の順番があります。国によっては氏名表記を「名」→「ミドルネーム」→「姓」の順にすることもありますが、このような場合でも、パスポートには通常上から下へ「姓」→「名+ミドルネーム」の順で記載されています。日本で取得する在留カードの氏名表記はこのパスポートの記載と揃えて作成されるため、ミドルネームがある外国人の方が申請書に記載する順番は、パスポートの記載順と同じように「姓」→「名+ミドルネーム」の順にします。また、このような場合には申請後にトラブルが起きないように、パスポートのコピーもあわせて提出することをお勧めいたします。

◆就労ビザに関するご質問

外国人留学生の方をアルバイトで採用することを考えています。採用時にはどのようなことに注意したら良いですか?

外国人留学生の方を採用する際には必ず在留カードと記載されている在留資格をご確認ください。まず、在留カ-ドの顔写真と照らし合わせ、本人かどうかを確認します。次に在留期限も確認してください。この期限を過ぎてしまうとオーバ-スティになり、そのような方を雇用すると雇用した側も刑罰の対象になります。次に在留資格が「留学」になっていることをご確認ください。留学の場合、「就労制限の有無」の欄に”就労不可”と記載されているはずです。そこで在留カ-ドの裏面をご覧ください。裏面下部に「資格外活動許可欄」があります。ここに”原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く”といった記載があればアルバイトとして採用することができます。注意点として、在留カ-ドに記載されている通り、留学生アルバイトの働ける時間は週28時間が原則です。この週28時間の制限は週のどこから数えても28時間以内である必要があります。また、留学生アルバイトの採用・退職時にはハローワークへ届出を出すことが義務付けられていますのでご注意ください。

会社を経営しています。勤務している社員の1人が近く退職するため、この機会に外国人の方をアルバイトとして雇うことを考えています。どのような手続きが必要ですか?

外国人の方を雇い入れた場合、雇用する会社側がどのような手続きをする必要があるかは雇用保険に入るか否かで異なります。例えば、アルバイトを雇用するであっても、1週間の所定労働時間が20時間以上で31日以上の雇用見込みがある場合には、日本人の場合と同様に雇用保険への加入が義務付けられています。そして、基本的に外国人の方を雇い入れた場合はそのことを国に報告する義務が生じるのですが、雇用保険の加入の届出をした場合にはこの報告をしたものと判断されます。これに対して雇用保険に加入しない場合には所轄のハローワークへ外国人雇用状況届出書の提出が必要になります。

中途採用で外国人スタッフの雇用を考えています。必要な手続きにはどのようなことがありますか?

採用の際に最も注意することは中途採用する外国人の方が現在お持ちのビザで許可されている活動内容についてです。就労系の在留資格では在留資格ごとに許可される活動内容には制限があります。例えば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格をお持ちの方にホールスタッフのような現場での単純作業を伴う職務内容で雇用することはできません。これを知らず許可されている内容を確認をしないまま採用してしまい、外国人の方に許可されている活動範囲外の職務内容をさせてしまうと、外国人の方ご本人はもちろん、採用した会社側も場合によっては不法就労助長罪といった罪に問われる可能性があります。そのため、現在お持ちの在留資格と貴社での職務内容が異なっていて現在外国人の方に許可されている在留資格の範囲外であった場合には、外国人の方が貴社での就労を開始する前に在留資格変更申請をすることが必要になります。一方、貴社での職務内容が現在お持ちの在留資格で許可されている範囲内であったとしても、以前の会社で行っていた職務内容と異なる場合には「就労資格証明書」を取得しておくことをお勧めします。なお、採用が決まった場合の手続きですが、採用された外国人の方は転職した日から14日以内に「契約機関に関する届出」を入管の窓口で提出することが必要です。一方で採用した会社側も「外国人雇用状況の届出」が必要なのですが、「雇用保険被保険者資格取得届」を提出するとでこの外国人雇用状況の届出を行ったとみなされます。この届出を忘れると更新時にトラブルになりやすいためご注意ください。

就労ビザの申請には「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」が必要とのことですが、どういった書類でなぜ提出が必要なのですか?

所得税法や相続税法、租税特別措置法などに規定されている税務署に提出しなければならない書類を総じて”法定調書”と言います。「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」はこの法定調書の提出時に併せて作成する書類で、給与所得の源泉徴収額の合計などが記載されています。就労ビザの申請では申請する会社の規模に応じて4つのカテゴリーに分類され、一定の基準以上のカテゴリーに属する場合には提出する書類が少なくなります。就労ビザ申請では雇用する会社に「事業の安定性・継続性」が求められますが、基準を満たすような大きな規模の会社であれば提出する書類が少なくても「事業の安定性・継続性」が認めやすいためです。そして「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」はカテゴリーの中で雇用先の会社がどこに当てはまるかを判断するための資料になります。カテゴリー1は日本の証券取引所に上場している企業などが当てはまり、カテゴリー2は前年分の給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体などが当てはまります。カテゴリー3は前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された前年分の給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額が1,000万円未満の団体なので、ほとんどの会社はカテゴリー3に該当するかと思います。なお、カテゴリー4になるのは主に創業から1年以内の新規に設立された会社が該当します。

当社では日本製の中古自動車販売をしています。業務量の拡大に伴い、アメリカから貿易実務の経験者を雇用しようと考えています。申請には通常必要とされる資料だけで大丈夫でしょうか?

中古車販売店を開業するにあたっては、古物商許可申請を行って古物商許可証を取得する必要があります。そのため、近年の入管の傾向として中古品を取り扱う会社からの申請では通常の申請で求められる資料の他に古物商許可証の写しを求められることが多くなりました。この点、同じ就労ビザである「経営管理」ビザの更新申請でも同じです(「経営管理」ビザの新規申請ではもともと提出が必要です)。なお、古物商許可申請では申請書提出の際に「仕入の手段」や「営業所について」など、担当者からいくつかの質問を受ける場合があるため、ある程度の日本語能力が求められます。

今回、はじめて入国管理局で弊社の外国人社員が「技術・人文知識・国際業務」ビザの更新を行いましたが、3週間ほどして「資料提出通知書」というはがきが届き、○月○日までに職務内容説明書の提出がもとめられました。どうすればよいのでしょうか。

資料提出通知書は、入国管理局の審査官が提出された書類を審査する際、もっと詳細な資料がないと許可を出すか否かを判断することができないと考えた場合などに追加の資料の求めるために送られてきます。つまり、この通知書が送られてくるという事は審査官が提出された内容について何らかの疑義を抱いているという事になり、適切な対応をしなかった場合には不許可になる可能性は非常に高くなります。「技術・人文知識・国際業務」ビザで職務内容説明書の提出が求められるということは、外国人の方の学歴等と職務内容の関連性について疑問を持った場合や、現場で作業をしている可能性を疑っている可能性が高いです。この点を踏まえて、適正な申請であり、法律の定めた要件をクリアしているということを審査官に職務内容説明書で説明していく必要があります。

在留資格「企業内転勤」が日本で行うことができる活動は「技術・人文知識・国際業務」と同様のようですが、この2つで何が異なるのでしょうか。

「企業内転勤」は、通常海外に支店、関連会社などがある会社がその関連会社から日本に即戦力となるような外国人の方を呼び寄せて働いてもらう場合に取得します。つまり、就労先の日本にある会社と”関連のある会社”が海外にあることがこのビザを取得するための前提になります。就労できる場所についても、転勤したこの関連のある会社に限られます。また、”転勤”とあるように日本で勤務する予定の期間が一定期間に区切られている必要があります。最も大きな特徴は「技術・人文知識・国際業務」で求められる学歴・実務経験の条件が必要ない点です。このため、企業内転勤を無制限に認めてしまうと技術・人文知識・国際業務の抜け道のようになってしまうため、企業内転勤の条件には外国にある支店、関連会社で1年以上の勤務経験が必要とされています。

在留資格「技術・人文知識・国際業務」でのある外国人の方の採用を考えています。採用通知は出しましたが、まだビザを取得できるかどうか不明なため内定までは出していません。この状態でも申請は可能でしょうか?

「採用」と「内定」は雇用する会社側と雇用される側の方との間で入社の意思確認ができているかどうかの違いがあります。「採用」とは会社側が雇用したい旨を求職者側に採用通知などで一方的に伝えた状態で、この段階では求職者側から入社の承諾は得られていないため”雇用契約”が締結されていません。これに対して、「内定」はこのような採用通知を受領した求職者側が会社に入社する意思を伝え、雇用契約を締結し入社することを約束した状態を指します。結論から言いますと、就労ビザの申請では「雇用契約書」の提出が義務付けられています。そのため、採用通知を送っただけでは就労ビザの申請をすることはできません。申請前に雇用契約を結び、内定を出すまで行う必要があります。この際、契約書には”出入国管理局から在留資格変更許可が得られなかった場合には本契約は無効とする”や”本契約の効力は、出入国在留管理庁より就労可能な在留許可を得ることを停止条件とし、その効力を生じる”といった条件を付記するのが一般的です。

当社の事務員が退職したため後任の方を募集したところ、中国籍の方から応募があり採用を検討しています。母国の大学を卒業しているとのことですが「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の取得は可能でしょうか?

ビザ申請で、”大学を卒業している”と言えるためには、単純な卒業だけでなく学士などの”学位”の取得が必要です。日本の場合、大学を卒業すると自動的に取得できますが、中国の場合、卒業までの年数が2~3年の専科卒業の場合などは大学の卒業と学位の取得が別々になっています。卒業までの年数が4~5年の本科卒業の場合には基本的に卒業時に学位を取得していますが、それでも約2%ほどは学位未取得で卒業しています。そのため、採用する方が中国の方の場合、公的な証明書で取得している学位を確認する方が確実です。学位を取得しているのであれば「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得できる可能はあります。なお、中国や韓国の”職業技術学院”というのは日本でいう専門学校にあたります。ビザ申請の場合、外国の専門学校は学歴には含まれません。そのため、このような名称の学校を卒業していてもそれだけでは就労ビザ申請の学歴としてカウントすることはできませんのでご注意ください。卒業とは別に学位の取得が必要になります。なお、台湾の場合には同じ”職業技術学院”という名称でも別物な点にも留意する必要があります。

「技術・人文知識・国際業務」のビザを取得して4月から会社に就職して働き始めましたが、現在転職を考えています。どのようなことに注意すればよいですか?

「技術・人文知識・国際業務」のビザは「高度専門職」などのビザとは異なり、就労先が許可された会社に限定された資格ではありません。そのため、転職先での職務内容と、卒業した大学等で学んだ内容とに関連性がある場合には特に変更申請をせずにすぐ新たな勤務先で働き始めることができます。手続きとして必要なことは、転職した日から14日以内に「契約機関に関する届出」を入管の窓口で提出することだけです。注意すべきなのは、現在お持ちの在留資格はあくまで現在お勤めの会社との間で許可されたもので、新しい勤務先でも同じビザが認められるか否かを入管はその時点では何ら判断していないということです。そのため、転職する際には更新前に入管にこの判断をしてもらうことのできる「就労資格証明書」の取得申請をしておくと安心です。次回のビザ更新の際にこの就労資格証明書を添付すれば、すでに転職について審査済みですので通常の更新と同様になります。

私は「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持っています。在留期間もまだ1年半ほど残っています。まもなく日本人の女性と結婚する予定なのですが、結婚後すぐに「日本人の配偶者等」の在留資格に変更申請をしなければならないのでしょうか。

「技術・自分知識・国際業務」の在留資格で会社等にお勤めの方が結婚をしたとしても、引き続き今の会社に同じ業務内容で勤務する場合には必ずしもすぐに「日本人の配偶者等」の在留資格に変更申請をする必要はありません。”「日本人の配偶者等」への在留資格変更許可申請が可能になる”というだけで変更することは義務ではありません。そして、「日本人の配偶者等」への在留資格変更許可申請をしないのであれば、結婚した場合に会社や申請人の方が出入国在留管理庁に対して届出る必要もありません。「日本人の配偶者等」の在留資格に変更する際にはメリットとデメリットの両方があります。メリットは「日本人の配偶者等」への在留資格変更許可が認められた場合に就労活動(職種)に制限がなくなることです。そのため、お勤めの会社を転職や退職された場合などでも在留資格を失う恐れがなくなります。デメリットは離婚をしたら帰国をするか「定住者」などの別の在留資格に変更をしなければ日本に滞在し続けることができなくなる点です。また、在留資格は取得後、2回目の更新くらいまでは許可される在留期限は1年のであることが大半です。したがって、永住許可の取得をお考えの方で、現在お持ちの「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で許可される在留期間が3年以上の場合には「日本人の配偶者等」に変更しないほうが良い場合もあります。永住許可の取得申請では現在の在留資格での在留期間が3年以上であることが許可の条件になっているからです。ご自身の状況を踏まえて変更するか否かをご検討ください。

現在飲食店を経営しています。留学生時代にアルバイトをしていた外国人の方を正社員として雇用することを考えています。スタッフの懈怠管理や一般事務などのマネージャーの仕事をお願いするため、在留資格は「技術・人文知識・国際業務」で申請しようと考えていますが、ビザの取得は可能でしょうか?

まず、前提として在留資格「技術・人文知識・国際業務」は外国人の方が日本でホワイトカラーの仕事に従事するための在留資格です。そのため、この在留資格では飲食店のキッチンやホール業務のような単純作業を行うことはできません。飲食店で在留資格「技術・人文知識・国際業務」で行うことができるのは、スタッフの労務管理や店舗管理、マーケティング業務です。しかし、前述のように飲食店は単純作業が身近にあり、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を申請した際に入管は単純作業も行うのではという疑いを必ず持ちます。そのため、飲食店で「技術・人文知識・国際業務」の申請をする場合にはこの疑惑を払拭する必要があります。よく言われるのが勤務する店舗の大きさや店舗の数です。一定の座席数があったり複数の店舗があるなど、ある程度の規模がないと外国人の方が従事する管理業務が十分な仕事量としてあるとは言えないためです。マーケティングの場合、客観的な二次資料などからも外国人客が非常に多いことが証明でき、多言語のWEbサイトを運営しているなど、日常的に通訳・翻訳の必要性がある場合に認められることがあります。当然ながらこれらの職務内容と学歴に関連性が必要になり、総じて通常の「技術・人文知識・国際業務」の申請と比較してかなり難易度の高い申請になります。

当社では電子機器部品の制作を中国の工場に委託しています。新たに雇用する中国の方に現地工場とのやり取りやWeb会議での通訳をお願いしようと思います。彼は日本の大学で情報処理を専攻していたそうですが、翻訳や通訳での「技術・人文知識・国際業務」での申請は可能でしょうか?

翻訳や通訳業務はいわゆる「国際業務」にあたり、「国際業務」では原則として従事しようとする業務に関連する業務について3年以上の実務経験を有することが必要です。ただし、大学を卒業した者が翻訳、通訳又は語学の指導に係る業務に従事する場合はこのような実務経験は不要となります。したがって、この度採用される方が日本の大学を卒業していらっしゃるのであれば”大学を卒業した者”という条件を満たします。他の「技術」や「人文知識」に関する業務のように、大学で学んだ内容と職務内容との関連性は求められません。特に日本の大学を卒業している方であればそれだけである程度の日本語力があることの証明になるため、母国語の通訳であれば許可される可能性は高くなります。そのため、専攻していた内容が理系のものあっても翻訳・通訳での申請が可能です。

私は都内で英会話教室を経営しています。法人化はしていません。アメリカに住む知人を講師として招きたいのですが、どのようなビザを申請すれば良いのでしょうか?

「教授」は大学や高等専門学校で研究や指導するための在留資格で、「教育」は小学校や中学校、高校で教えるための在留資格になります。したがって、職務内容が英会話教室での講師ということであれば、必要な在留資格は「技術・人文知識・国際業務」です。また、外国から招くのであれば手続きの種類は「在留資格認定証明書交付申請」になります。ただ、個人事業主の場合には法人の場合に比べて審査は厳しくなっています。「技術・人文知識・国際業務」では、就労した外国人の方が来日後にいきなり職を失うなうことのないよう、雇用する会社側に事業の安定性や継続性を求めます。一般的には個人事業主よりも法人化している会社の方が事業の安定性や継続性が高いと考えられるため、個人事業主の場合には法人の場合に比べて慎重に審査がされます。したがって、個人事業主の方であればこの点を踏まえた理由書や追加で書類を提出した方が良いでしょう。

1歳から6歳までの未就学児を対象に英語保育をおこなうインタ-ナショナルプリスク-ルを運営しています。この度、ネイティブの英語教師を採用しようと思い、「技術・人文知識・国際業務」で就労ビザの申請をしようかと思います。

インタ-ナショナルプリスク-ルで英語を教える場合、該当するビザは確かに「技術・人文知識・国際業務」です。ただし、「技術・人文知識・国際業務」ビザでは保育士が行うような寝かしつけやおむつ交換は原則としてすることができません。そのため、インタ-ナショナルプリスク-ルや保育園、学童施設などで語学講師として外国人の方を雇用する場合にはこのような単純作業を行わないことを入管に説明する必要があります。一般的にバイリンガル講師、英語カ-ドなどの教材の作成、外国人保護者向けのパンプレットの翻訳や外国人保護者への対応などが主な業務内容である場合には許可が取得しやすくなります。なお、「日本人の配偶者等」のビザをお持ちの方の場合には「技術・人文知識・国際業務」のような就労制限はありません。

ホテル経営をしています。近年、外国人観光客が増えてきたため外国人のスタッフを雇用しようと考えています。ネットで調べてみると、ホテル業では外国人の就労ビザの取得が難しいようですが、なぜでしょうか。

「技術・人文知識・国際業務」に代表される日本の就労ビザでは、ホテルの一般的な業務であるベットメイキングや清掃、ドアマンなどの単純作業を行うことはできません。ホテル業に関して就労ビザを取得できるのは、例えば、スタッフの懈怠管理や経理、マーケティングや企画、外国語によるWebサイト制作・管理などです。このような業務内容であれば「技術・人文知識・国際業務」ビザが取得できる可能性があります。ただし、外国語によるWebサイト制作・管理については、外国人の方がどの程度観光客として訪れるかを信頼性の高い公的資料等を用いて説明する必要があります。なお、外国人客の比率が高く、部屋数が多いホテルであればフロントでの外国人客に対する通訳などで十分な業務量があるといえる判断され、フロント業務でビザを取得できる場合があります。

建設業を営んでいる者です。会社で設計担当者として外国人の方を採用することを考えています。これまで外国人の方を雇用したことがないので、注意点などを教えていただけると助かります。

建設業の設計担当者ということであれば、該当する在留資格は「技術・人文知識・国際業務」になります。建設業で「技術・人文知識・国際業務」の申請する場合、大学等で学んだ内容と職務内容に関連性があることはもちろんですが、現場作業をするのではないということを入管に丁寧に説明する必要があります。設計ということであれば、実際の図面は顧客の方のプライバシ-の関係上直接提出することは難しいため、申請人の方が作成された施工図面の簡単なサンプルのようなものを提出すると良いでしょう。入管に説明するための資料なので、完成度が高いこともまでは求められません。審査官の方が”ああ、普段こういう仕事をするのか”というイメ-ジを持ってもらえれば十分です。

精密機器メーカ-の人事部の者です。当社では海外貿易担当や総務として数人の外国人の方を採用します。その際、新人研修として、一定期間工場で勤務し、現場の流れを経験してもらいたいと考えています。申請する予定の「技術・人文知識・国際業務」でもこのような現場研修は可能でしょうか?

前提として「技術・人文知識・国際業務」ビザでは、工場の現場勤務のような単純作業は許可されていません。しかしながら、製造業やサービス業など、多くの業種では管理職として採用された方であっても一定期間、現場研修を行っているケースは少なくありません。適切な管理業務を行うには、現場を知るのが最も効率が良いと考えられるためです。とはいえ、自社で勝手に行うと不法就労罪に該当してしまいます。そのため、このような場合であれば、「技術・人文知識・国際業務」ビザの申請時に、入社当初に行われる研修の一環であり、管理業務などの本来従事することになる業務を行う上で現場での経験が必要になること、外国人のみ対象として行われる特別なものではなく日本人についても同様の研修が行われている事などを客観的な証拠を用いて論理的に説明すれば認められる可能性があります。なお、業界で一般的だからと言って申請の際にこの説明を省略することはできません。

就労ビザの中には「高度専門職」ビザというものがあるようですが、これはどういったビザなのでしょうか?

「高度専門職」ビザは、外国人で高い技術や深い知識をもっているいわゆる高度外国人材の方を日本に呼び込むことで日本人の良い刺激になってもらうために2015年4月よりスタートした制度です。「高度専門職」ビザではその活動内容を「高度学術研究活動」と「高度専門・技術活動」、「高度経営・管理活動」の3つに分類しています。このそれぞれの活動内容それぞれの特性に応じて、学歴や職歴または年収などの項目ごとにポイントを設け、このポイントの合計が70点以上であればビザを取得することができます。「高度学術研究活動」には研究者や科学者、大学教授の方が当てはまり、「高度専門職1号(イ)」に分類され、「高度専門・技術活動」はITエンジニア、機械や土木建築の設計者などの技術者、マーケティングや経営コンサルティング業務に携わる方が当てはまり、「高度専門職1号(ロ)」に分類されます。「高度専門・技術活動」は在留資格「技術・人文知識・国際業務」に類似していますが、「技術・人文知識・国際業務」と異なり「高度専門職1号(ロ)」の中に国際業務は含まれません。「高度経営・管理活動」にはある程度規模の大きな会社の経営者の方や取締役の方が当てはまり、「高度専門職1号(ハ)」に分類されます。どの活動も日本の経済の活性化が目的のため、日本の公私の機関と契約をして実際に活動を行うことが前提で、同じ機関の同じ仕事内容で継続して勤めている間だけ有効です。この他、高度専門・技術活動と高度経営・管理分野の場合には最低年収基準として、年収300万円以上であることが必要になります。

「高度専門職」ビザには出入国管理上の優遇措置があるそうですが、どのようなものでしょうか?

高度専門職ビザでは、外国人で高い技術や深い知識をもっているいわゆる高度人材の方の受け入れを促進するため、多くの出入国管理上の優遇措置が与えられます。通常、外国人の方は1人につき1つの在留資格しか保有できず、それに対応する活動しかすることができませんが、例えば高度専門職1号(イ)で許可された大学での研究活動と併せて本来なら経営・管理ビザが必要な関連する事業を経営する活動を行うなどの複数の在留資格にまたがる活動を行うことができます。また、在留期間は就労ビザの最長である「5年」が一律に付与され、原則として10年間の日本への居住を求める永住許可要件が70点以上なら3年、80点以上なら1年と大幅に緩和されます。他には配偶者の方の就労ビザ取得条件の緩和、一定の条件の下での親や家事使用人の帯同の許容、入国・在留手続の優先処理などの優遇措置を受けることができます。

在留資格「経営・管理」の事業の規模要件で「資本金が500万円以上」か「二人以上の常勤の役員がいる」というのはわかるのですが、「これらに準じる規模であると認められること」とはどういうことですか?

経営管理ビザで求められる事業の規模は資本金500万円か、そうでなければ常勤の従業員を2人以上雇用する規模であることが求められます。そのため、これに準じる規模とは、実質的にこれと同等に考えられる規模のことを指します。したがって、資本金が500万円に満たない場合には資本金と資本金以外に事業を営むために出資した資金の総額が500万円以上であれば良いことになります。例えば、資本金が300万円の場合、そのほかに事業所を確保するための資金として150万円、机やOA機器等の事業活動に必要な設備に投下した資金が50万円だった場合には300万円+150万円+50万円=500万円で条件をクリアすることになります。また、従業員を1人しか雇用しない場合は条件の半分を満たしていると考えられるため、資本金を250万円出資した場合と同様に考えられます。よって、先ほどの例のように残りの250万円分の資金を出資した場合には条件を満たすことになります。ただ、理論的にはこのようになりますが実際にこのような資本金が500万円に満たない場合や常勤の従業員が一人の場合に残りの金額を出資したことを証明するのにはかなり詳細な説明が求められるため、このような方法で条件をクリアすることはかなり難しいといえます。

在留資格「経営・管理」の取得を考えています。日本で自宅以外に事務所を確保するのが難しいので自宅を事業所にしようと考えています。ビザの取得は可能でしょうか?

経営管理ビザを取得する場合、自宅兼事務所だと通常よりもかなり審査はかなり厳しいものになります。前提として自宅兼事務所で経営管理ビザの許可が出るのは一戸建ての場合のみです。マンションの場合には許可は出ません。そして、事務所と居住区画とは明確に区分されている必要があります。そのため、”事務所へ行くための通路と住居に入る通路が重なってはならない”とされています。したがって、自宅兼事務所で許可が下りるのは2階建て以上の一戸建てで、かつ2世帯住宅のように入口が2つに分かれている建物であれば、1階をすべて事務所にして外付けの階段で2階に直接上がれるため入国管理局の求める条件を満たすことができます。1階の一部だけを事務所にする場合には基本的に許可はされません。なお、1階の大きな窓を入り口としてみることはできないというのが入管全体のスタンスなのでご注意ください。また、自宅を事業所として申請するためには、光熱費について法人用と個人用でどういう配分で使うのかについて会社法人と社長個人間での契約書を作成する必要もあります。基本的に、自宅を事業所として申請し許可を得るのは難しいのが実情です。個人的には自宅を事業所として申請するのはほかに手段がない場合の最終手段とするべきだと考えます。

在留資格「経営・管理」ビザの申請をしようと思うのですが、その際に提出する「事業計画書」には何を書いたら良いでしょうか?

経営管理ビザは他の就労ビザと異なり学歴や経験の要件がないことから、過去にゴーストカンパニーなど多くの不正に利用されてしまいました。そのため、入国管理局が”本当に日本で事業活動するのか、継続して事業活動を行うことができるのか”を確認するために「事業計画書」提出を求めるようになりました。このような経緯から、事業計画書は会社が現実に存在していることや継続した売上がある安定した会社であることが確認できるような計画書であることが必要になります。具体的には、官公庁による統計や研究機関のレポートなどの客観的に信頼できるデータを基にした根拠ある売り上げの予測、起業背景や事業の概要、主な商品とその販売方法のほかSWOT分析や4P分析を踏まえた自社の強みや競合相手の分析とマーケティング、これまでの進捗と将来の人事計画などを記載していきます。説明には可能な限り具体的な数字を用いるようにし、専門的な表現は避けて一般的なわかりやすい言葉を用いるようにすることがポイントです。

建設分野で雇用する外国人の方に特定技能ビザを取得してもらうには会社が特定技能外国人受入事業実施法人(JAC)に加入する必要があるとのことですが、特定技能外国人受入事業実施法人(JAC)とはどのような組織なのでしょうか?

技能実習制度では、建設分野の失踪者数が全体の失踪者数の54%を占め、また建設業における技能実習実施企業の約8割に労働法令違反が発覚するなどの労働環境が問題視されていました。そのため、2019年に特定技能制度を新設するにあたり、これまで問題となっていた建設技能者全体の処遇改善や人材確保の国際競争力の向上などの問題・課題に対応するため、業所管省庁である国土交通省の指導のもと、元請けゼネコンや、受入対象職種の専門工事業団体などの建設業の業界団体が発起人となって設立されました。JACはJapan Association for Construction Human Resourcesの略称です。JACの役割は主に受入企業が認定受入計画に従って適正な受入れを行っているかの監理をし、また、建設業務については一般の民間有料職業紹介事業者による職業紹介は行ってはいけないため、無料職業・人材紹介の事業を行っています。他に日本語や技能・安全衛生教育等の教育訓練や技能試験の実施制度の周知活動、優れた技能を持つ外国人材と受入企業を表彰するなどの活動を行っています。

◆その他のビザに関するご質問

今、日本で「留学」ビザで大学に通いながら就職活動をしています。就職先が見つかった後、仕事を始めるまでの流れはどのようになるのでしょうか。また、注意した方が良いことはありますか?

外国人留学生の方が日本で就職し、その仕事を始めるには「留学」の在留資格から就労系在留資格への「在留資格変更許可申請」をする必要があります。春卒業の留学生の方で既に卒業後の就労先が決まっている方については、卒業の前年12月よりこの変更許可申請の受付が始まります。就労先がいつ頃見つかるかにもよりますが、ビザ申請の事だけを考えるのであれば遅くとも2月上旬頃には申請をしておくのが理想です。また、2月上旬までに申請する場合にはまだ卒業自体はしていないために申請に必要な「卒業証明書」は手元にありません。そのため、一旦変更申請をし、「卒業証明書」をが入手出来たら入管に持っていくことでようやく在留カードを手渡されて変更が完了となります。したがって、3月の卒業時期に卒業旅行や帰省などで長期間日本を離れてしまうと在留カードの受け取りをしないまま更新期間を過ぎてしまう危険性はあります。また、留学生の方の場合「資格外活動許可」を取得していてアルバイトをしている場合にはご注意ください。週28時間以内の就労時間制限を超えている場合、変更申請が許可されません。

現在、「留学」の在留資格で高校に通っている子どもがいます。今度、夫の転勤に伴い転校することになりました。子どもの在留資格についても親がする手続きとは別に手続きが必要ですか?

外国の方も自由に転校することができます。この際、転校するために入国管理局に対して変更申請のような手続きは必要ありませんが、どの学校に通っているかは留学の在留資格の内容の1つになっているため、留学の在留資格をお持ちの外国人の方が転校した場合には、入国管理局で転校した日から14日以内に転校前に在籍していた学校(活動機関と言います)の「離脱の届出」と転校して新たに在籍する「移籍の届出」をする必要があります。転校直後は慌ただしいと思いますが、この届出を忘れてしまうと更新時に問題になりますのでご注意ください。なお、オンラインでの届出も可能です。ただし、はじめてシステムを利用するときは利用者情報を登録する必要があります。郵送の場合には在留カード両面の写しの同封を忘れないようにしてください。

「留学」の在留資格で日本に滞在している大学生です。大学の講義がない時間にアルバイトをしたいと考えています。何かの許可が必要でしょうか?

「留学」の在留資格は外国人の方が日本で学校等に通い学ぶための在留資格なので、アルバイトなどによる就労は原則できません。そのため、「留学」の在留資格でアルバイトをする場合には「留学」の在留資格を所持しているという事の他に「資格外活動許可」を申請する必要があります。この許可を取得するとコンビニやファミリーレストラン、スーパーなどでアルバイトをすることができます。許可を取得してもスナックやキャバクラ、ゲームセンターやパチンコ店などでのアルバイトはできませんのでご注意ください。また、「資格外活動許可」は現在の在留資格のオプションのようなものです。そのため、留学生として学校に通っているなど現在の在留資格の活動をきちんと行っていて、現在の在留資格の活動を邪魔しない範囲でのみ認められます。具体的には、どの曜日から7日を数えてもアルバイトの時間が28時間以内に収まることが必要です。1日の上限は8時間以内ですが、この制限は学校が校則などで定める夏休みなどの長期休暇期間中は1日あたり8時間に拡大され、日本人と同じく労働基準法が適用されるために週の上限は40時間になります。この時間制限は必ず守るようにしてください。留学生の方が卒業後に就労ビザへの変更申請をした際に不許可になるケースで最も多いのがこの28時間制限違反です。なお、留学生の方の場合、許可される「資格外活動許可」は「内包括許可」になります。「内包括許可」とは、勤務先や業務内容を指定しない資格外活動許可です。そのため、アルバイト先を変更しても手続きは不要です。

現在「留学」の在留資格で専門学校に通っています。卒業が近いのですが、まだ就労先が見つかっていません。卒業後も日本で就職活動をしたいのですがどうすれば良いのでしょうか?

日本の大学や専門学校を卒業した留学生の方が、卒業後にも日本での就職活動の継続を希望する場合には「特定活動」在留資格を取得できる可能性があります。取得のためには留学生としての在留状況に問題がなかったことが求められます。具体的には学校の出席状況が良好である事、資格外活動許可を得てアルバイトをしていたのであれば週28時間の就労制限に違反していない事などです。また、就職活動を継続するのに必要な生活費が確保されていることや、その他にも卒業した教育機関からの推薦が必要になります。このような条件をクリアすれば「留学」の在留資格から「特定活動」の在留資格への変更が認められます。この際に許可される在留期間は6ヵ月です。原則1回は更新が可能で、さらに6ヵ月の在留期間が認められるため、最長で1年間は日本で就職活動をすることができます。

現在「日本人の配偶者等」の在留資格で滞在しています。永住許可の申請を考えているのですが、永住権を取得するにはどのような条件を満たす必要があるのでしょうか?

永住許可、永住ビザは外国籍のまま日本に永住する権利を認めるビザです。永住許可を得て永住権を取得すると日本での活動内容や在留期間の制限がなくなり、ビザを更新する必要がなくなります(ただしこの場合でも7年ごとの在留カードの更新は必要です)。また、永住許可を取得すると土地や建物などの不動産を購入する際のローン審査が緩和されたりと、非常に大きなメリットを得ることができます。しかし、その分永住ビザの審査は厳しく、全体的に帰化申請よりも高い条件をクリアすることが要求されます。永住許可審査で最も重要視されるのが、これまでの滞在状況に問題がなく、かつ今後も問題を起こす心配が少ないかどうかという点です。このような外国人の方であれば、引き続き日本に滞在することが日本の国益に合うと判断されます。具体的には①納税義務等の公的義務を履行している、重大な交通違反者になっていなどこれまでの日本での在留中の素行が善良であること、②安定収入や資産があり生活保護などに頼る可能性が少ないこと、③10年以上日本に居住し、直近の5年以上は就労可能なビザで日本に滞在していることなどの条件をクリアすること必要です。このうち③の10年以上の日本での居住要件は日本人や永住者、特別永住者の配偶者で婚姻後3年以上が経過し、1年以上引き続き日本に居住している方であれば条件を満たしていると判断されます。

現在「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で日本に滞在しており、永住許可を取得したいと考えています。日本での滞在期間はまだ1年半ほどですが、高度人材のポイント計算では80点以上あります。申請することはできるでしょうか。

永住許可を取得するためには①納税義務等の公的義務を履行していて重大な交通違反者になっていなど素行が善良であることや②安定収入や資産があること、そして③10年以上日本に居住し、直近の5年以上就労可能なビザで日本にいるため、永住を許可することが日本国の利益に合うと認められることが必要です。この点、高度人材のポイント計算で70点以上の方は「高度人材外国人」と呼ばれ、この③の要件が緩和されます。具体的には、ポイント計算で70点以上の方であれば3年、80点以上の方と「特別高度人材」の方であれば1年の滞在でこの③の滞在条件を満たしていると判断されます。よくある誤解ですが、この申請の際には「高度専門職」の在留資格を保持している必要はありません。永住許可申請の1年前の時点と永住許可申請の時点でポイント計算を行った場合に両方とも80点以上を有しているもしくは「特別高度人材」の条件を満たしている方、永住許可申請の3年前の時点と永住許可申請の時点でポイント計算を行った場合に両方とも70点以上を有している方はいわゆる「みなし高度専門職」として永住申請の緩和措置を受けることができます。実際に高度専門職の在留資格を取得する必要はありません。したがって、日本での滞在期間が1年半ほどであっても高度人材のポイント計算で80点以上あるなら許可がでる可能性はあります。

中国人です。留学生として来日した大学時代から在留しており、もうすぐ10年になります。現在のビザは「技術・人文知識・国際業務」ですが、永住許可の申請を考えています。許可を取得できるでしょうか?

永住権を取得するためには、納税義務等の公的義務を履行していて重大な交通違反者になっていなど素行が善良であること、安定収入や資産があること、10年以上日本に居住し、直近の5年以上就労可能なビザで日本にいることの他に現在許可されている在留期間が3年もしくは5年であることなどが求められます。日本に来られてから10年とのことですが、まずは直近の5年以上を就労ビザで在留していたかどうか、現在許可されている在留期間が3年以上かをご確認ください。次にご確認いただきたいのは独身の方であるなら年収が300万円以上あるかどうかです。基本的にはこの金額を超えている場合に安定収入があると認められます。資産はあればそれに越したことはないですが、なくともそれが原因で不許可になる可能性はそう高くはありません。入管は定期的に安定した収入がある方を重視するからです。さらに、交通違反と納税義務の履行などをチェックします。交通違反は軽微なものでもあまりに多いと問題視されるかもしれません。納税義務は履行したかどうかだけではなく、納付期限内に収めているかも確認します。帰化申請と異なり、申請直前に滞納分を納付しても納税義務を履行していると判断されません。最後に就労ビザから永住許可を得て永住権を取得するには理由書が特に重視される点にご注意ください。

私はもともと日本人でしたが、アメリカで結婚し市民権を得た際に国籍喪失の届出をしています。現在は日本に帰国し、「日本人の配偶者等」の在留資格で在留して1年が経過しましたが、永住許可の申請をして許可を得ることはできるでしょうか?

永住許可を得る条件の1つに”10年以上日本に居住し、直近の5年以上就労可能なビザで日本いること”というものがあります。帰化申請が5年で良いのと比較して永住許可の居住条件は10年と大変厳しいものになっていますが、日本人の配偶者で3年以上が経過している方や、日本人の実子の方であれば、引き続き1年以上日本に居住することでこの条件を満たすとする緩和措置が設けられています。また、定住者の在留資格をお持ちの方であれば5年以上日本に居住している方も同様にこの緩和措置を受けられます。したがって、許可を得ることができるかどうかは他の条件にもよりますが、少なくとも居住条件はクリアしていると言えます。

親類が永住許可の申請を考えています。提出書類の中に身元保証人による「身元保証書」というものがあるそうで、この身元保証人になってほしいと頼まれました。身元保証人というのはどういうもなのでしょうか?通常の保証人とは異なるのでしょうか?

「永住許可」や「日本人の配偶者等」などの”身分又は地位に基づく在留資格”の申請の場合には身元保証人による「身元保証書」の提出が必要になります。この身元保証人には、申請人が日本で生活する際に法令を順守するようにその生活を指導し、必要な場合には経済的支援をすることが求めらられます。このため、身元保証人は生活の基盤を日本においている日本人か永住者のどちらかでなくてはなりません。この永住許可での身元保証人は、良く保証人として連想される民法上の保証人や連帯保証人とは違い身元保証人に法的責任はなく、仮に保証した内容について履行しなかったとしても金銭を支払うよう強制されることはありません。入国管理局から約束の履行を催促されるだけです。とはいえ、その場合には入国管理局から身元保証人としての適格性を欠くとして社会的な信用を失い、他の外国人の身元保証人になることが難しくなります。その意味で、この身元保証人の責任は「道義的な責任」といわれています。なお、2022年の6月から以前は提出を求められた身元保証人の方の納税証明書や勤務先の在籍証明書などの提出は不要になり、代わりに免許証のコピーの提出で良いようになりました。このことからも実印と印鑑証明書が必要な一般的な保証人とは異なることがうかがえます。

家族滞在ビザで国外にいる妻と子を日本へ呼ぶことを考えています。子どもについて来日できる年齢に制限などはありますか?

入国管理局は建前上”扶養を受ける前提であれば特に年齢については制限はない”としています。しかし、実際の審査では年齢が考慮されているように思われます。例えば、子どもを日本へ呼ぶ場合、なぜわざわざ今日本に来るのか、高校卒業後に「留学」ビザなどで日本に来るのはダメなのか、日本に来た場合に学校はどうするのかなどを確認されます。入国管理局は家計のために就労させる目的で子どもを日本に呼ぶのではないかという観点で見るからです。そのため、子どもの年齢が上がっていくにつれて許可の可能性が低くなっているように思えます。仮に、18歳以上で高校などを卒業している場合であればなぜ「技術・人文知識・国際業務」のような就労ビザではなくわざわざ「家族滞在」のビザで来日するのか、相当に合理的な理由を入国管理局に説明しないと許可は厳しいものになるでしょう。また、親と子が一緒に日本に来るのではなく、親だけ最初に日本に来ていて、その後数年たってから子供だけを日本に呼ぶ場合も同様に許可は厳しいものになります。

家族滞在ビザの申請を考えています。申請の際、どのような書類を提出すれば良いのでしょうか?

家族滞在ビザを取得するには、在留資格をもって就労する外国人扶養者と家族関係であることを証明した上で、日本で一緒に暮らしていけるだけの経済力があることを入国管理局に示す必要があります。そのため、家族関係を証明する戸籍謄本のほか、婚姻届や出生届の受理証明書などの何れかの資料の提出が求められます。また、経済力を証明するには在職証明書と住民税の納課税証明書を提出することが一般的ですが、場合によっては扶養者名義の預金残高証明書を提出して証明する場合もあります。また、資産運用などの定期収入がある場合には、その説明書をA4の用紙で1枚程度作成し証明資料を添付して提出すると良いでしょう。

フィリピンにいる彼女を短期滞在ビザで日本に呼んで、結婚し、そのまま配偶者ビザに変更する事は可能でしょうか?

原則として短期滞在ビザから他の在留資格への変更は認められていません。しかし、「やむを得ない特別の事情」があると入国管理局に認められた場合には例外的に変更が許可される場合もあります。この点、短期滞在の間に日本で婚姻届けを提出した場合、申請者をわざわざいったん日本から出国させて新たな入国手続をとらせることは不合理であるため、やむを得ない特別の事情があると判断される可能性があります。この場合、手続き上、まずは通常の外国人配偶者の方を外国から呼ぶ手続きである「在留資格認定証明書交付申請」をおこないます。この申請の際に必ず受付で短期滞在からの変更が可能かを相談してください。やむを得ない特別の事情があるかどうかは個別のケースで判断されます。”こういう場合であれば認められる”と断言できるものではありません。受付でやむを得ない特別の事情があると判断してもらえれば、交付された在留資格認定証明書を添付して日本人の配偶者等の配偶者ビザへの変更申請が可能になります。

私は日本人です。知人の紹介で知り合った中国人の方と2回ほどお会いした後に結婚しました。中国人配偶者に「日本人の配偶者等」ビザを取得して日本に呼びたいのですが許可は取れるでしょうか?

配偶者ビザで入国管理局が最も重要視するのが「結婚の真実性」です。そのため、配偶者ビザを取得するためには結婚が真実だということを入管に理解してもらわなくてはなりませんが、入国管理局の審査は基本的には書類審査のみです。したがって、申請する側が提出した書類のみで結婚の真実性を示さなくてはなりません。この点、結婚が真実味を帯びるには実際にあった回数も重要な要素になります。通常、数回会っただけで結婚しようとはあまり思わないだろうと考えられるため、結婚するまでにあった回数が少ないのであれば「どうして結婚しようと思ったのか」という結婚までの経緯の説明が非常に重要になります。仮に、交際期間は長いが実際にあった回数が少ない場合であれば交際期間中のLINE等のコミュニケーション履歴によって実際の交際期間を証明することができます。反面、交際期間も短く、実際に会った回数も少ない場合の審査はかなり厳しいものになります。なお、どのくらいの回数が入管によって”少ない”と判断されるかの明確な数字は決まっていません。