永住許可申請の審査傾向

このページには永住許可申請の審査傾向を箇条書きで記載しています。


出入国在留管理庁が公表している標準処理期間では4か月となっていますが、実際には申請してから許可が下りるまでに半年から1年と長い時間がかかります。

審査中にビザの期限が切れてしまわないように注意する必要があります。

地方税、公的年金、健康保険料など納付状況は審査対象になっていて非常に厳格に審査されます。年金に加入していない場合には不許可になることもあります。

地方税については直近5年分が審査対象で、日本人や永住者、特別永住者の配偶者なら3年、子なら1年です。
公的年金、健康保険料については直近の2年分が審査対象です。日本人や永住者、特別永住者の子の場合1年になります。
納付期限をきちんと守っていたかどうかも見られます。また、申請後、この期間内に未納について追納しても評価されません。この場合にはきちんと期限内に納付した新しい対象期間が経過する必要があります。

・素行問題で一番多いであろう交通違反は、軽い交通違反であれば数回くらいであれば大丈夫です。しかし、あまりに多いと不利になってくる可能性があります。

交通違反が多い方は「素行が善良」とは言えません。軽い交通違反が3~4回程度なら問題ありませんが、これ以上になると審査の際に不利に働く可能性が高いと思われます。車を運転する方は特にご注意ください。ご自分の交通違反が何回あるかわからないという方は「運転記録証明書」を取得すれば過去5年の経歴を確認することができます。

・永住許可は出入国管理局へ申請、帰化は法務局へ申請しますが、どちらも最終的には法務大臣の判断になります。つまりは同じところで審査してます。

よって、永住と帰化は同時に申請すべきではありません。永住と帰化、どちらが希望なのか判断できなくなります。

会社経営者は、通常は社会保険加入し健康保険と厚生年金を支払っていることが求められます。

法人経営者の場合には社会保険加入が必須です。個人事業主も社会保険加入が義務になる場合があります。いずれにせよ、適法状態でないと申請できません。

年収についてクリアしなければならない条件は帰化よりも厳しく、独身の方でも300万以上はないと許可が下りにくい傾向にあります。

扶養者がいるならもっと多くの金額が必要となります。具体的な数字は個別の場合によりますが、おおよそ一人増えるとプラス50万~70万くらいは必要です。

理由書はA4で2枚程度の分量で、来日してから今までの経緯と仕事の状況などを書き、永住の条件をクリアしていることをアピ-ルしていきます。

永住ビザの理由書は原則審査のプラス材料にはならず、その不備はマイナス材料にしかなりません。この点、就労系の経営管理などは不備があれば不許可になるのとは異なります。
ただし、就労ビザからの変更の場合には理由書の記載で審査の結果が大きく左右されます。

配偶者の方がいらっしゃる場合には、住民票で同居が確認できる必要があります。


・永住ビザについては、帰化と異なり日本語能力が法律上の条件とはなっていません。そもそも10年も日本にいることが条件となるので、それだけの期間日本に滞在していれば会話できるのが普通であるからです。

90日以上出国していると、10年間居住の条件をクリアするための居住歴が原則リセットされます。

10年間の間に年間の出国日数が半年を超えている年がある場合にも同様です。その年で日本滞在が中断されたと判断され、居住歴がリセットされる可能性が相当に高くなります。この場合は「引き続き」ではなくなるため、その年から再度一から数えなおすことになります。


・転職を繰り返している場合、一般的に収入が不安定になりやすいため、永住ビザの許可に不利になります。

原則として日本人の身元保証人が必要になります。日本人と結婚している方であれば通常は配偶者の方が身元保証人になります。

他には、勤務先の上司や社長、学生時代の先生にお願いする方が多いようです。どうしても日本人の身元保証人が見つからなければ、永住者の方でも身元保証人になることは可能ではあります。身元保証人の方がする保証の内容は滞在費・帰国費用・法令遵守の3つです。連帯保証人から連想されるいわゆる”保証人”とは異なり、経済的な賠償は含まれておりません。しかし、定職があって安定的な収入があり、納税義務を果たしている必要があります。

過去のビザの申請の際に提出した資料の内容と今回の永住ビザの申請書類の内容に何らかの矛盾があると、入国管理局にはどちらが本当の事なのかわかりません。過去の申請内容が本当だったのかどうかを疑われ、不許可になる可能性が非常に高くなります。

どちらが正しいのかの確認は通常行われません。単純に不許可になります。


永住ビザを取った後すぐに離婚する方がいることが問題となっているようで、”この人は永住取ったら離婚をするつもりだ”と入管に疑われると不許可の可能性が高くなってきます。

永住許可は、一度取得したら離婚しても取り消しにはなりません。そのため、日本人との結婚を永住許可を取るための手段にするということがあるようで、出入国管理局はこれを警戒しています。ちなみに、永住が取り消される例として一番多いのは、再入国許可を取らずに日本を出国して1年以上経過してしまった場合です。

家族同時申請の場合、ご本人が永住を許可された時点でご家族は「永住者の配偶者等」とみなされ、ご家族の申請は「永住者の配偶者等」のビザの方が「永住者」の申請をする場合の要件にハードルが引き下げられます。

例えば、ご本人は10年以上日本に住んでいて、配偶者の方やお子さんが来日から10年経過していない場合などがこれに当てはまります。

永住者の配偶者の方の場合、結婚後3年が経過し、かつ日本に1年以上在留していれば永住者の要件を満たします。
お子さんの場合には日本に1年以上在留していれば永住者の要件を満たします。

ここでご本人が永住許可を取得されると、審査中であっても直ちに、ご家族は「永住者の配偶者等」として扱われ、緩和された永住者の要件で審査されることになります。

簡単に言えば、

ご本人が永住者の条件をクリアしている状態で、
結婚後3年が経過し、
ご家族で日本に1年以上在留している場合

にはご家族全員の永住許可の申請が可能になります。

なお、永住許可申請には現在のビザの在留期間が3年か5年であることも必要です。

・永住申請の場合、在留特別許可をもらった人に対して、帰化申請とは異なり、何年以上経過してからでなければ永住申請ができないという規定はありません。

帰化申請の場合、過去にオーバステイをし、在留特別許可をもらった履歴がある場合には、その時から10年経過すれば申請が可能になります。

関連記事

他の関連記事と当事務所のサービス紹介へのリンク

在留資格「永住許可」(1)ビザ申請の要件
もっと見る
当事務所の永住許可のサービス
もっと見る

ビザ申請を代行いたします。初回のご相談は原則無料です。お気軽にお問い合わせください。

神山行政書士事務所のビザ申請サポートサービス

ビザ申請にかかる時間やご負担を大きく減らすよう当事務所がサポートいたします。申請は当事務所が代行しますので、お客様が入管で長時間待つ必要もありません。ビザ申請は専門家にお任せ下さい。

もっと見る

◆ お電話でのお問い合わせ

042-518-9477

【運営】神山行政書士事務所
【受付時間】平日10:00~18:30
[事前予約があれば平日の18:30以降、土日や祝日も対応します]

※ページ下部にメールでのお問い合わせフォームもあります。よろしければご利用ください。

(参考)ビザ申請の基礎知識

ビザ申請に関する記事

- Articles on Visa Application -

※当事務所Webサイト”お役立情報”のうち、就労ビザ以外のビザ申請に関する記事の一覧になります。下記一覧表の”もっと見る”から各項目へのジャンプできます。PCで個別の語句を検索する場合には「Ctrlt+F」をご利用ください。

掲載記事の一覧

ビザと査証、在留資格やパスポートの違いは?
もっと見る
在留資格にはどのようなものがあるか?
もっと見る
在留資格「永住許可」(1)ビザ申請の要件
もっと見る
在留資格「永住許可」(2)ビザ申請の審査傾向
もっと見る
在留資格「日本人の配偶者等」(1)ビザ申請の要件
もっと見る
在留資格「日本人の配偶者等」(2)ビザ申請の審査傾向
もっと見る
帰化申請(1)帰化申請の要件
もっと見る
帰化申請(2)帰化申請の審査傾向
もっと見る
在留資格「定住者」はどんな在留資格?
もっと見る
家族滞在ビザとは?必要書類についても解説します
もっと見る
外国人労働者の方の社会保険
もっと見る
ビザの申請はどこにすれば良いのか?
もっと見る
ビザ申請の結果はどのような形でわかるのか~結果通知書と資料提出通知書~
もっと見る
どのような場合に在留資格が取消しになるのか
もっと見る
大学などを卒業後にも就職活動を継続するには?
もっと見る
在留資格「日本人の配偶者等」(実子・特別養子の場合)の提出書類
もっと見る
申請中に在留期間が過ぎたらどうなるのか?~特例期間について~
もっと見る
ビザ申請の手続きにはどのようなものがあるのか
もっと見る
ビザ申請に関する手続き(1)在留資格認定証明書交付申請
もっと見る
ビザ申請に関する手続き(2)在留資格変更許可申請
もっと見る
ビザ申請に関する手続き(3)在留期間更新許可申請
もっと見る
ビザ申請に関する手続き(4)在留資格取得許可申請
もっと見る
ビザ申請に関する手続き(5)永住許可申請
もっと見る
ビザ申請に関する手続き(6)資格外活動許可申請
もっと見る
ビザ申請に関する手続き(7)就労資格証明書交付申請
もっと見る
ビザ申請に関する手続き(8)再入国許可申請
もっと見る
ビザ申請に関する手続き(9)所属機関等に関する届出手続
もっと見る
入国管理局立川出張所での申請の流れ
もっと見る
在留資格「特定活動46号」はどんな在留資格?
もっと見る
未来創造人材制度(J-Find)について
もっと見る
ビザ申請の企業など所属機関についてのカテゴリーとは?
もっと見る
永住許可で10年の居住条件を大幅に緩和できる「みなし高度専門職」
もっと見る
在留資格認定証明書の電子化について
もっと見る
永住許可の理由書にはどのようなことを書いたら良いのか
もっと見る
永住許可はどのような場合に不許可になることが多いのか
もっと見る
特別永住者の方の「特別永住者証明書」の更新申請
もっと見る

(参考)就労ビザの基礎知識

就労ビザに関する記事

- Articles on Work Visas -

※当事務所Webサイト”お役立情報”のうち、就労ビザに関する記事に関する記事の一覧になります。下記一覧表の”もっと見る”から各項目へのジャンプできます。PCで個別の語句を検索する場合には「Ctrlt+F」をご利用ください。

掲載記事の一覧

在留資格「技術・人文知識・国際業務」(1)ビザ申請の要件
もっと見る
在留資格「技術・人文知識・国際業務」(2)ビザ申請の審査傾向
もっと見る
在留資格「経営管理」(1)ビザ申請の要件
もっと見る
在留資格「経営管理」(2)ビザ申請の審査傾向
もっと見る
在留資格「技能」(1)ビザ申請の要件
もっと見る
在留資格「技能」(2)ビザ申請の審査傾向
もっと見る
在留資格「企業内転勤」(1)ビザ申請の要件
もっと見る
在留資格「企業内転勤」(2)ビザ申請の審査傾向
もっと見る
外国人の方が日本で株式会社設立するには?
もっと見る
外国人留学生の方を採用した時に必要な手続き
もっと見る
外国人の方が転職した際は~就労資格証明書について~
もっと見る
外国人の方を採用した会社の届け出義務
もっと見る
大学などを卒業後にも就職活動を継続するには?
もっと見る
在留資格「特定活動46号」はどんな在留資格?
もっと見る
在留資格「特定技能」(1)特定技能ビザとは
もっと見る
在留資格「特定技能」(2)受入れ機関と登録支援機関
もっと見る
在留資格「高度専門職」(1)高度専門職ビザとは
もっと見る
在留資格「高度専門職」(2)高度専門職ビザの優遇措置
もっと見る
在留資格「高度専門職」(3)特別高度人材制度(J-Skip)とは
もっと見る
未来創造人材制度(J-Find)について
もっと見る
経営管理ビザで自宅を事務所として登録できるのか
もっと見る
就労ビザで働いている方が転職する際の注意点
もっと見る
経営管理ビザの事業計画書は何を書いたら良いのか?
もっと見る
外国人の方を採用する際の手続きや注意点
もっと見る
在留資格「特定技能」(3)建設分野における上乗せ規制
もっと見る
飲食店で外国人を雇用する際にはどのような就労ビザが必要になるのか?
もっと見る
在留資格「特定技能」(4)製造分野における上乗せ規制
もっと見る
語学スクールで外国人を語学教師として雇用する際の注意点
もっと見る
在留資格「特定技能」(5)特定技能外国人を雇用する際の流れと手続き
もっと見る
在留資格「技術・人文知識・国際業務」(3)海外の大学卒業者の許可事例
もっと見る
在留資格「技術・人文知識・国際業務」(4)日本の大学卒業者の許可事例
もっと見る
在留資格「技術・人文知識・国際業務」(5)大学卒業者の不許可事例
もっと見る

お客様の声

customer comments

当事務所では、サービス向上のため利用者様に定期的にご意見を伺っております。アンケートにお答えくださり、当事務所HPへの掲載許可をくださった利用者様のコメントの一部をご紹介いたします。
※当事務所ではSEO対策よりも利用者様の個人情報の保護を優先し、コメントをいただいた利用者様の写真・お名前の公開はしておりません。直筆のご感想のみ公開をしています。

国立市 女性 S様

在留資格:日本人の配偶者等

八王子市 工事会社様

在留資格:技術・人文知識・国際業務

よくある質問

Q&A

相談だけで依頼しなくても大丈夫でしょうか?

はい、大丈夫です。ご依頼前の初回30分の面談は一般的な手続きや申請要件についての簡単な説明をさせていただくため、原則無料としております。必ずしもご依頼をいただく必要はございません。初回面談時にご依頼をいただける場合にはその場で具体的なお話もさせていただきます。当事務所に依頼せず、ご自身で申請するために具体的な相談のみをご希望の場合には別途1時間5,500円(税込)を頂戴しております。

相談の受付時間は何時までですか?

当事務所では、平日お電話の場合には10:00から18:30まで、メールの場合には24時間受け付けております。他のお客様との打ち合わせや外出等のため、電話をお受けした時点ではすぐには対応できなかった場合には、当事務所より折返しご連絡させていただいております。相談のための面談の日程は平日18:30以降や土日祝日でも可能です。メールでのご返答はできるだけ早く行いますが、1~2営業日いただくこともあります。ご了承ください。

事務所案内 -Our Office-

神山行政書士事務所
代表 神山隆義



 

【略歴】

  1978年、栃木県生まれ
  中央大学法学部法律学科卒
  座右の銘:”信”は力なり

【所属・保有資格】

  東京都行政書士会立川支部
  東京出入国在留管理局申請取次資格
  宅地建物取引士試験 合格
  日商簿記           など

<事務所概要>
事務所名神山行政書士事務所
代表者神山隆義
所属会東京都行政書士会

立川支部
住所〒190-0023
東京都立川市柴崎町

2丁目5番3号 

SOHOプラザ立川3F
アクセスJR中央線、青梅線、

南武線「立川駅」南口

から徒歩5分
多摩都市モノレール

「立川南駅」

から徒歩5分
多摩都市モノレール

「立川北駅」

から徒歩4分
取扱業務ビザ申請、建設業許可申請
TEL042-518-9477
FAX042-518-9478
営業時間10:00~18:30
[事前にご予約いただければ、平日の18:30以降や土日祝日も対応いたします。 ]
休業日土日祝日
(事前にご予約いただければ当事務所の休業日であっても対応いたます。)

アクセス - ACCESS -

 〒190-0023
  東京都立川市柴崎町2丁目5番3号 SOHOプラザ立川3F

042-518-9477

  受付時間:10:00~18:30
  [平日18:30以降、土日祝日は事前にご予約をお願いします ]

電車でお越しの場合

  JR中央線、青梅線、南武線「立川駅」南口から徒歩5分
  多摩都市モノレール「立川南駅」

から徒歩5分
  多摩都市モノレール「立川北駅」

から徒歩4分

※駐車場は近隣のコインパーキングをご利用ください。
 料金はお客様のご負担となります。

 

当事務所に興味をお持ちいただきありがとうございます。お問い合わせは下のフォームよりお願いいたします。
お問い合わせいただきました内容は当事務所の掲げる個人情報保護方針に沿って管理し、お客様の同意なく第三者に開示・提供することはございません。
詳細につきましては、下記の当サイト「プライバシーポリシー」をご参照ください。

神山行政書士事務所「プライバシーポリシー」へのリンク
https://www.office-kamiyama-tokyo.com/first-time/privacy-policy/

お問い合わせフォーム

FORM


    確認画面は表示されません。入力内容をよくご確認の上送信ボタンを押してください。

    お時間をいただき、ありがとうございました。
    ※海外の方からのG-mailは届きにくい状況にあります。こちらにメールが届いた場合には返信メ-ルが自動送信されますので、ご確認ください。お急ぎの場合はお電話でお問合せいただけると助かります。