ビザ申請の結果が出るまでの期間はどのくらいか

ビザ申請は外国人の方にとって非常に重要なものです。そのため、ビザの申請したのであれば当然早くその結果が知りたいところですが、以前の出入国在留管理庁のWebサイトでは標準処理期間として1~3カ月といったかなり大まかなものしか記載されていませんでした。

しかし、いつ結果が出るかわからないものを待ち続けるのは非常につらいものです。

もう少し具体的な審査に係るに日数を教えてほしいという要望は強くなり、平成29年度からは全国の地方出入国在留管理局における在留審査の処理期間の平均日数をWebサイトで公表しています。本ぺ-ジではそこに記載されている内容のうち、当事務所へのご相談が多いものについて記載しています。

入管の公表している資料に合わせて、記載は1年を4つの時期に分けています。これは申請する時期によって大きく審査期間が異なるからです。

以下の表にある在留審査期間の日数は、申請を受けてから許可に至るまでの期間(許可を告知するまで)であり、不許可処分・申請取下げ等は含まれません。また、在留資格認定証明書交付申請は交付までの日数を記載していますが、在留期間更新申請と在留資格変更申請については審査が終了した日付を記載しています。そのため、在留期間更新申請と在留資格変更申請の場合にはお手元に結果通知書が届くまでに下記の日付よりも2~4日は多くかかります。

また、特定活動は行おうとする活動によって、審査期間が異なりますので大体の数字になります。また、あくまでも平均日数なので、場合によってはこれよりも大幅に時間がかかる場合がありますのでご了承ください。

申請先が東京入管の場合、2023年から在留資格認定証明書の審査にかかる時間が徐々に長くなっており、2024年現在では「技術・人文知識・国際業務」や「日本人の配偶者等」在留資格認定証明書交付申請の場合なども大体3ヶ月~4ヶ月程かかっています。

コロナ5類以降から日本へ来る外国人の方が急増しましたが、在留資格認定証明書の審査はすべて品川入管でまとめて行っているためかと思われます。なお、下記の数字は東京入管以外も含めての平均です。したがって、都市部だと下記の表より長くかかり、それ以外だともっと短い可能性があります。

また、永住者と帰化申請についての審査日数は公開されていません。2024年現在、東京入管での申請は当事務所の把握している限り永住許可の場合で約1年2ヶ月~1年半程度かかっています。2024年10月上旬で2023年6月~7月に申請した結果が出ているのが実情です。帰化申請も初回の面談予約が2か月以上先になるため、やはり少なくとも1年以上はかかると思われます。

令和5年4月~6月の審査期間

まずは令和5年4月~6月の審査期間です。この時期が入管が1年で最も混みあう時期になり、審査にかかる期間も長くなります。ビザ申請では申請する時期や申請方法、申請する在留資格の種類などによって審査にかかる期間は大きく変わってきます。

令和5年4月~6月の在留審査期間(日数の平均) 参考:出入国在留管理庁Webサイト
在留資格認定証明書交付申請在留期間更新申請在留資格変更申請
交付までの日数審査終了までの日数審査終了までの日数
高度専門職1号イ33.423.822.1
1号ロ27.426.125.4
1号ハ85.240.042.3
経営・管理82.428.454.3
技術・人文知識・国際業務50.226.831.3
企業内転勤41.025.322.6
技能67.929.947.4
特定技能1号70.731.942.2
留学61.417.419.9
家族滞在53.125.927.6
特定活動42.927.427.7
日本人の配偶者等57.921.428.2
永住者の配偶者等60.420.928.5

基本的に在留資格認定証明書交付申請が審査に最も時間がかかります。次に時間がかかるのが在留資格変更申請で、在留資格更新申請が最も短い期間で審査が終了します。

また、審査期間は申請する在留資格によっても異なります。最も審査に時間がかかるのは「経営・管理」と「高度専門職1号ハ」といった会社経営に関する在留資格です。ただし、この2つも一度許可されれば更新申請の審査期間は他の在留資格とあまりかわらなくなります。次いで審査に時間がかかるのは「技能」と「特定技能1号」です。一般的に、過去に不正が多く見られた在留資格については特に審査期間が長くなると考えて良いでしょう。

加えて、在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更申請などの新規の申請では「技術・人文知識・国際業務」のような就労ビザよりも「日本人の配偶者等」などの身分系の在留資格の方が審査期間は長くなります。身分系在留資格の場合には偽装結婚の可能性を考えたり、就労制限がなくなるなど許可される範囲が広いため判断が慎重になります。

反面、更新は「技術・人文知識・国際業務」のような就労ビザよりも「日本人の配偶者等」などの身分系の在留資格の方が審査期間は短くなります。これは、就労ビザの場合、決算書などで申請人の方の勤務する会社の現状についても審査するからだと考えられます。

令和5年7月~9月の審査期間

次は令和5年7月~9月の審査期間です。入管も繁忙期を過ぎ、大分落ち着いてきます。

令和5年7月~9月の在留審査期間(日数の平均) 参考:出入国在留管理庁Webサイト
在留資格認定証明書交付申請在留期間更新申請在留資格変更申請
交付までの日数審査終了までの日数審査終了までの日数
高度専門職1号イ31.527.520.1
1号ロ26.025.724.4
1号ハ64.635.640.1
経営・管理94.934.250.9
技術・人文知識・国際業務53.022.526.6
企業内転勤34.823.316.9
技能74.735.343.8
特定技能1号61.729.542.1
留学60.620.017.4
家族滞在59.626.825.8
特定活動45.127.630.0
日本人の配偶者等64.518.826.7
永住者の配偶者等74.418.125.5

この時期でも在留資格認定証明書交付申請の審査にはかなりの時間がかかります。反面、在留資格変更申請や在留期間更新申請の審査にかかる期間は減少します。4月と同様、9月にも秋入学の方が多いためか、「留学」の在留資格を申請する方が多い時期です。

令和5年10月~12月の審査期間

令和5年10月~12月の審査期間です。年末ということもあり、若干混みあいます。

令和5年10月~12月の在留審査期間(日数の平均) 参考:出入国在留管理庁Webサイト
在留資格認定証明書交付申請在留期間更新申請在留資格変更申請
交付までの日数審査終了までの日数審査終了までの日数
高度専門職1号イ30.213.429.0
1号ロ17.824.722.2
1号ハ40.318.452.9
経営・管理90.527.060.8
技術・人文知識・国際業務59.821.325.7
企業内転勤40.221.013.7
技能81.628.637.6
特定技能1号62.127.238.0
留学42.114.215.4
家族滞在70.823.322.8
特定活動40.325.128.7
日本人の配偶者等72.620.125.3
永住者の配偶者等85.819.826.5

令和元年度の国税庁統計年報の統計によると、全法人のうち、決算時期の1位は3月の18.3%ですが、2位は9月の10.9%、3位は12月で10.4%です。この影響からか、就労ビザの申請がやや多くなります。また、現在結婚式を挙げる時期で最も多いのが10月と11月であるため、身分系在留資格の新規取得が多い時期でもあります。

令和6年1月~3月の審査期間

令和6年1月~3月の審査期間です。

令和6年1月~3月の在留審査期間(日数の平均) 参考:出入国在留管理庁Webサイト
在留資格認定証明書交付申請在留期間更新申請在留資格変更申請
交付までの日数審査終了までの日数審査終了までの日数
高度専門職1号イ41.820.816.8
1号ロ26.516.520.4
1号ハ42.031.038.9
経営・管理81.331.871.8
技術・人文知識・国際業務58.221.126.8
企業内転勤39.922.718.2
技能92.731.941.0
特定技能1号64.228.139.7
留学77.014.514.4
家族滞在86.325.325.6
特定活動44.025.129.3
日本人の配偶者等72.921.627.0
永住者の配偶者等88.721.026.9

「留学」の在留資格の方は卒業前の12月から卒業後に就職するための在留資格の変更が始まるため、若干就労ビザの申請が多くなりますが、それでも繁忙期や年末ほどではありません。体感的にはこの時期の就労ビザの更新は一年間で最も早く審査結果が出ます。

令和6年4月~6月の審査期間

令和6年4月~6月の審査期間です。

令和6年4月~6月の在留審査期間(日数の平均) 参考:出入国在留管理庁Webサイト
在留資格認定証明書交付申請在留期間更新申請在留資格変更申請
交付までの日数審査終了までの日数審査終了までの日数
高度専門職1号イ44.444.639.4
1号ロ41.833.028.8
1号ハ72.438.537.2
経営・管理100.232.379.8
技術・人文知識・国際業務71.141.248.9
企業内転勤42.639.432.0
技能101.032.141.4
特定技能1号72.833.845.8
留学59.425.919.3
家族滞在85.134.235.5
特定活動40.324.929.7
日本人の配偶者等76.824.026.4
永住者の配偶者等90.423.226.7

昨年度の同時期に比べ、審査にかかる期間がかなり増えています。感覚的には昨年の同時期の1.5倍の日数が審査にかかっているという所でしょうか。特に永住審査が2024年現在で許可が出るまでに1年以上かかっている影響からか、同じ永住審査部門で審査される日本人の配偶者等、特に在留資格証明書交付申請は例年よりもかなり時間がかかっています。

推測の域を出ませんが、円安に起因した出稼ぎ労働者の方や、日本での事業展開を考える海外の会社経営者の方などが多かった影響かと思われます。当事務所でもこのような方からのお問い合わせが例年よりも多くありました。また、中国の景気の影響からか、特に中国の方で来日を希望する方のお問い合わせが昨年より多かった時期でもありました。審査期間の遅延はこのような方々の申請数の増加によるものだと思われます。

7月中旬からは大分入管の人込みも少なくなってきました。しかし、この4月~6月の審査期間の遅れは7月、8月に許可が出る予定であった申請にも影響を及ぼす可能性が少なくありません。場合によっては標準処理期間を過ぎることもありますのでご注意ください。

なお、受付番号で問い合わせても、入管は進捗状況の問い合わせには一切回答してはくれません。仮に回答してくれるとしても現在審査中かどうか、現在何年の何月分の審査が完了しているか程度の内容です。部門が異なるため、いつ頃審査が完了するかについては窓口で確認することはできません。


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