調理技能ビザの審査傾向

このページには調理技能ビザの審査傾向を箇条書きで記載しています。


外国料理の専門店であることが必要です。コースメニューがあると信憑性が高まります。この場合、単品料理もあることも求められます。食べログ等で確認をされます。

調理技能ビザを取得するには外国人の方が調理する料理には専門性のある外国料理であることが必要です。居酒屋等では許可されず、外国料理の専門店のような場合に許可されます。この点、米国については伝統料理や特有の料理というのが考えにくいとういのが入管のスタンスのため、米国料理を専門に出すという場合には調理技能ビザの取得は難しくなります。

この専門性を有する品が2、3品の場合でも基本的には許可は下りません。この場合に許可される可能性があるのはこの2、3品が店の売り上げの大部分を占めているような特殊な場合のみです。

一般的にこの専門性のある外国料理をだしていると認めてもらうためには、ある程度の金額のコースメニューがあると信用されやすい傾向があります。これはメニュ-の全ぺ-ジのコピ-などで証明します。コース料理の他に単品での注文が可能かどうかにもチェックが入ります。

外国料理の専門店であることは外観や内部の写真などで証明します。不自然な画像には十分注意する必要があります。

なお、提供する料理がどこの国のものであるかと料理する方の国籍に関連性は求められません。例えばフランス人の方が中華料理の調理師として調理技能ビザを取得することは可能です。

・審査の際には店舗に一定の規模があることや、店舗設備もチェックされます。

調理技能ビザの場合、技術・人文知識・国際業務ビザのように法令に雇用する店舗の規模や設備についての明確な規定はありません。しかし、技術・人文知識・国際業務ビザのような就労ビザで外国人の方を雇用する会社に継続性、安定性が求められるのと同様に調理技能ビザでも雇用する会社に継続性、安定性が求められます。このため、調理技能ビザで外国人の方を雇用する会社には一定の規模が求められ、座席数がある一定数あることなど必要になります。座席数が少なく、あまりにも小さい店舗での許可は難しくなります。一般的に座席が20~30席程度あれば基準をクリアできると考えてよいでしょう。

また、店舗設備もチェックされます。例えば、本場イタリアのビザを提供することを売りにしているにも関わらず、専用の窯がないなどの場合が考えられます。また、調理技能ビザはウェイターやレジなどの単純業務はできません。そのため、調理する外国人の方以外にこのような単純業務にに従事するスタッフがいることが必要です。

・経営者の方が日本人か外国人であるかは問われません。

飲食店の責任者が食品衛生責任者講習と防火管理講習を受ければ外国人の方の調理師免許は不要です。一応法律には「調理師の設置努力義務」というのがありますが、怠ったからといって法的な罰則はありません。

飲食店開業のために必要なのは食品衛生法に基づく、管轄の保健所による飲食営業許可です。この許可を取得するためには、食品衛生協会が開催している講習会に参加することで取得できる食品衛生責任者の資格が必要になります。また、午前0~6時に営業する場合や、居酒屋やバーなど主に酒類を提供する飲食店の場合は、飲食店営業許可に加えて、管轄の警察署へ「深夜酒類提供飲食店営業開始届」を申請する必要があります。

事業計画書を入国管理局から求められて添付することもありますが、融資の際に必要なレベルまでは求められません。1年分程度の簡単なもので大丈夫です。

本人の側の条件としては、原則として日本で就く予定の職業について実務経験が10年以上あることが必要になります。

この10年の実務経験年数の中には専門学校などで調理に関する科目を専攻した期間を含めることができます。例えば、2年間調理専門学校に通っていた場合、8年の実務経験があれば実務経験が10年以上あるということになります。

10年以上の実務経験があれば学歴は不要です。外国から転職して日本に来られる場合には、以前の勤め先の在職、退職証明書を用意します。在職証明書には本人の特定と職務内容、いつからいつまで在職していたのかなどが記載されています。発行日が記載されているものが必要です。

もし、以前の勤め先の経営者の方との仲が悪くこの様な書類について協力してくれない場合には許可は取れません。理由書だけでは技能ビザの取得は困難です。

料理人の方に外国からきてもらう場合、本国への電話による以前の勤務先の所在及や、料理人の方の勤務期間についての確認は必ずと言ってよいほど実施されます。

外国の方ですと良くある話なのですが、本国ではずっとニックネ-ムで呼ばれていて、ほかの職場の方が日本に来る料理人の方の本名を知らない場合があるので注意が必要です。元の勤務先への電話確認の際に知らないといわれてしまうと許可が下りない可能性があります。

また、入国管理局はグーグルアースなどを使って店舗の実在や所在地を確認します。この時に以前勤務していた店舗がないと実務経験の証明ができないとして許可が取れません。

報酬の額については、技術・人文知識・国際業務のビザよりも賃金の低い15万円~17万円くらいの金額であっても許可は下りることは多いです。

ただし、通勤手当や扶養手当、住宅費などの金額はこの中には含まれません。

また、賃金が許可されるかどうかわからないくらいも低い金額だった場合、本人のビザは取れても、配偶者の方や子どもの家族滞在の許可は取れない可能性があります。

実務研修は日本人の大卒社員にも同じように行われるものであって、日本でこのビザで活動するであろう期間全体に対しての割合が少ない期間のみであるならば可能です。

例えば、今後10年は日本でこのビザの活動が予定されているのであれば在留期間が1年と決定されても、その一年間すべてを実務研修に充てることも可能です。反面、雇用期間が3年のみで契約の更新も予定されていないような場合に採用から2年間実務研修を行うというのは認められません。

なお、この様な実務研修をする場合にはビザの取得の際に入管へ報告することが必要で、許可される在留期間は原則として1年間になります。

技能ビザ更新の際の審査ポイントは、給料が予定どおり支払われているか、それに伴い住民税などはきちんと納付されているか、職務内容は変わってないか、会社の経営状態は悪化していないかなどです。

・調理・製菓の専門学校生が引き続き日本で就業しながら実習を希望する場合には「特定活動(外国人料理人・外国人製菓衛生師)」ビザを取得することができます。

調理技能ビザの場合、通常は製菓の専門学校を卒業しても、申請には10年の実務経験が要求されるため卒業後すぐには調理技能ビザの取得はできません。しかし、農林水産省が行う「日本の食文化海外普及人材育成事業」の認定を受けることができれば最大5年間、日本の調理・製菓を行う事業所で実習(就業)を行うをことができます。

この「日本の食文化海外普及人材育成事業」の目的は日本の食文化を海外に普及させるための人材育成です。今までは日本料理店に限定されていましたが、制度の改正により、日本料理店以外の飲食店や、製菓・製パンの小売店でも働けるようになりました。

ただし、このビザは調理技能ビザの実務経験を積むためのものではありません。在留期間終了後に帰国することが前提のビザです。そのため、5年の期間終了後に期間を更新する制度がなく、10年の実務経験期間を満たすことはできません。日本に引き続き滞在したい場合はこの特定活動ビザから別のビザ変更する必要があります

なお、ややこしいですが「特定技能1号/外食業」で在留し、日本で考案されたのではない専門性のある外国料理の調理に従事していた場合には実務経験としてカウントできる場合もあります。ただし、外国の実務経験に比べて証明のハードルは高くなる傾向があります。

関連記事

他の関連記事と当事務所のサービス紹介へのリンク

在留資格「技能」(1)ビザ申請の要件
もっと見る
当事務所の就労ビザ・外国人雇用のサービス
もっと見る

ビザ申請を代行いたします。初回のご相談は原則無料です。お気軽にお問い合わせください。

神山行政書士事務所のビザ申請サポートサービス

ビザ申請にかかる時間やご負担を大きく減らすよう当事務所がサポートいたします。申請は当事務所が代行しますので、お客様が入管で長時間待つ必要もありません。ビザ申請は専門家にお任せ下さい。

もっと見る

◆ お電話でのお問い合わせ

042-518-9477

【運営】神山行政書士事務所
【受付時間】平日10:00~18:30
[事前予約があれば平日の18:30以降、土日や祝日も対応します]

※ページ下部にメールでのお問い合わせフォームもあります。よろしければご利用ください。

(参考)ビザ申請の基礎知識

ビザ申請に関する記事

- Articles on Visa Application -

※当事務所Webサイト”お役立情報”のうち、就労ビザ以外のビザ申請に関する記事の一覧になります。下記一覧表の”もっと見る”から各項目へのジャンプできます。PCで個別の語句を検索する場合には「Ctrlt+F」をご利用ください。

掲載記事の一覧

ビザと査証、在留資格やパスポートの違いは?
もっと見る
在留資格にはどのようなものがあるか?
もっと見る
在留資格「永住許可」(1)ビザ申請の要件
もっと見る
在留資格「永住許可」(2)ビザ申請の審査傾向
もっと見る
在留資格「日本人の配偶者等」(1)ビザ申請の要件
もっと見る
在留資格「日本人の配偶者等」(2)ビザ申請の審査傾向
もっと見る
帰化申請(1)帰化申請の要件
もっと見る
帰化申請(2)帰化申請の審査傾向
もっと見る
在留資格「定住者」はどんな在留資格?
もっと見る
家族滞在ビザとは?必要書類についても解説します
もっと見る
外国人労働者の方の社会保険
もっと見る
ビザの申請はどこにすれば良いのか?
もっと見る
ビザ申請の結果はどのような形でわかるのか~結果通知書と資料提出通知書~
もっと見る
どのような場合に在留資格が取消しになるのか
もっと見る
大学などを卒業後にも就職活動を継続するには?
もっと見る
在留資格「日本人の配偶者等」(実子・特別養子の場合)の提出書類
もっと見る
申請中に在留期間が過ぎたらどうなるのか?~特例期間について~
もっと見る
ビザ申請の手続きにはどのようなものがあるのか
もっと見る
ビザ申請に関する手続き(1)在留資格認定証明書交付申請
もっと見る
ビザ申請に関する手続き(2)在留資格変更許可申請
もっと見る
ビザ申請に関する手続き(3)在留期間更新許可申請
もっと見る
ビザ申請に関する手続き(4)在留資格取得許可申請
もっと見る
ビザ申請に関する手続き(5)永住許可申請
もっと見る
ビザ申請に関する手続き(6)資格外活動許可申請
もっと見る
ビザ申請に関する手続き(7)就労資格証明書交付申請
もっと見る
ビザ申請に関する手続き(8)再入国許可申請
もっと見る
ビザ申請に関する手続き(9)所属機関等に関する届出手続
もっと見る
入国管理局立川出張所での申請の流れ
もっと見る
在留資格「特定活動46号」はどんな在留資格?
もっと見る
未来創造人材制度(J-Find)について
もっと見る
ビザ申請の企業など所属機関についてのカテゴリーとは?
もっと見る
永住許可で10年の居住条件を大幅に緩和できる「みなし高度専門職」
もっと見る
在留資格認定証明書の電子化について
もっと見る
永住許可の理由書にはどのようなことを書いたら良いのか
もっと見る
永住許可はどのような場合に不許可になることが多いのか
もっと見る
特別永住者の方の「特別永住者証明書」の更新申請
もっと見る
ビザ申請をしてから結果が出るまではどのくらい?
もっと見る

(参考)就労ビザの基礎知識

就労ビザに関する記事

- Articles on Work Visas -

※当事務所Webサイト”お役立情報”のうち、就労ビザに関する記事に関する記事の一覧になります。下記一覧表の”もっと見る”から各項目へのジャンプできます。PCで個別の語句を検索する場合には「Ctrlt+F」をご利用ください。

掲載記事の一覧

在留資格「技術・人文知識・国際業務」(1)ビザ申請の要件
もっと見る
在留資格「技術・人文知識・国際業務」(2)ビザ申請の審査傾向
もっと見る
在留資格「経営管理」(1)ビザ申請の要件
もっと見る
在留資格「経営管理」(2)ビザ申請の審査傾向
もっと見る
在留資格「技能」(1)ビザ申請の要件
もっと見る
在留資格「技能」(2)ビザ申請の審査傾向
もっと見る
在留資格「企業内転勤」(1)ビザ申請の要件
もっと見る
在留資格「企業内転勤」(2)ビザ申請の審査傾向
もっと見る
外国人の方が日本で株式会社設立するには?
もっと見る
外国人留学生の方を採用した時に必要な手続き
もっと見る
外国人の方が転職した際は~就労資格証明書について~
もっと見る
外国人の方を採用した会社の届け出義務
もっと見る
大学などを卒業後にも就職活動を継続するには?
もっと見る
在留資格「特定活動46号」はどんな在留資格?
もっと見る
在留資格「特定技能」(1)特定技能ビザとは
もっと見る
在留資格「特定技能」(2)受入れ機関と登録支援機関
もっと見る
在留資格「高度専門職」(1)高度専門職ビザとは
もっと見る
在留資格「高度専門職」(2)高度専門職ビザの優遇措置
もっと見る
在留資格「高度専門職」(3)特別高度人材制度(J-Skip)とは
もっと見る
未来創造人材制度(J-Find)について
もっと見る
経営管理ビザで自宅を事務所として登録できるのか
もっと見る
就労ビザで働いている方が転職する際の注意点
もっと見る
経営管理ビザの事業計画書は何を書いたら良いのか?
もっと見る
外国人の方を採用する際の手続きや注意点
もっと見る
在留資格「特定技能」(3)建設分野における上乗せ規制
もっと見る
飲食店で外国人を雇用する際にはどのような就労ビザが必要になるのか?
もっと見る
在留資格「特定技能」(4)製造分野における上乗せ規制
もっと見る
語学スクールで外国人を語学教師として雇用する際の注意点
もっと見る
在留資格「特定技能」(5)特定技能外国人を雇用する際の流れと手続き
もっと見る
在留資格「技術・人文知識・国際業務」(3)海外の大学卒業者の許可事例
もっと見る
在留資格「技術・人文知識・国際業務」(4)日本の大学卒業者の許可事例
もっと見る
在留資格「技術・人文知識・国際業務」(5)大学卒業者の不許可事例
もっと見る

お客様の声

customer comments

当事務所では、サービス向上のため利用者様に定期的にご意見を伺っております。アンケートにお答えくださり、当事務所HPへの掲載許可をくださった利用者様のコメントの一部をご紹介いたします。
※当事務所ではSEO対策よりも利用者様の個人情報の保護を優先し、コメントをいただいた利用者様の写真・お名前の公開はしておりません。直筆のご感想のみ公開をしています。

国立市 女性 S様

在留資格:日本人の配偶者等

八王子市 工事会社様

在留資格:技術・人文知識・国際業務

よくある質問

Q&A

相談だけで依頼しなくても大丈夫でしょうか?

はい、大丈夫です。ご依頼前の初回30分の面談は一般的な手続きや申請要件についての簡単な説明をさせていただくため、原則無料としております。必ずしもご依頼をいただく必要はございません。初回面談時にご依頼をいただける場合にはその場で具体的なお話もさせていただきます。当事務所に依頼せず、ご自身で申請するために具体的な相談のみをご希望の場合には別途1時間5,500円(税込)を頂戴しております。

相談の受付時間は何時までですか?

当事務所では、平日お電話の場合には10:00から18:30まで、メールの場合には24時間受け付けております。他のお客様との打ち合わせや外出等のため、電話をお受けした時点ではすぐには対応できなかった場合には、当事務所より折返しご連絡させていただいております。相談のための面談の日程は平日18:30以降や土日祝日でも可能です。メールでのご返答はできるだけ早く行いますが、1~2営業日いただくこともあります。ご了承ください。

事務所案内 -Our Office-

神山行政書士事務所
代表 神山隆義



 

【略歴】

  1978年、栃木県生まれ
  中央大学法学部法律学科卒
  座右の銘:”信”は力なり

【所属・保有資格】

  東京都行政書士会立川支部
  東京出入国在留管理局申請取次資格
  宅地建物取引士試験 合格
  日商簿記           など

<事務所概要>
事務所名神山行政書士事務所
代表者神山隆義
所属会東京都行政書士会

立川支部
住所〒190-0023
東京都立川市柴崎町

2丁目5番3号 

SOHOプラザ立川3F
アクセスJR中央線、青梅線、

南武線「立川駅」南口

から徒歩5分
多摩都市モノレール

「立川南駅」

から徒歩5分
多摩都市モノレール

「立川北駅」

から徒歩4分
取扱業務ビザ申請、建設業許可申請
TEL042-518-9477
FAX042-518-9478
営業時間10:00~18:30
[事前にご予約いただければ、平日の18:30以降や土日祝日も対応いたします。 ]
休業日土日祝日
(事前にご予約いただければ当事務所の休業日であっても対応いたます。)

アクセス - ACCESS -

 〒190-0023
  東京都立川市柴崎町2丁目5番3号 SOHOプラザ立川3F

042-518-9477

  受付時間:10:00~18:30
  [平日18:30以降、土日祝日は事前にご予約をお願いします ]

電車でお越しの場合

  JR中央線、青梅線、南武線「立川駅」南口から徒歩5分
  多摩都市モノレール「立川南駅」

から徒歩5分
  多摩都市モノレール「立川北駅」

から徒歩4分

※駐車場は近隣のコインパーキングをご利用ください。
 料金はお客様のご負担となります。

 

当事務所に興味をお持ちいただきありがとうございます。お問い合わせは下のフォームよりお願いいたします。
お問い合わせいただきました内容は当事務所の掲げる個人情報保護方針に沿って管理し、お客様の同意なく第三者に開示・提供することはございません。
詳細につきましては、下記の当サイト「プライバシーポリシー」をご参照ください。

神山行政書士事務所「プライバシーポリシー」へのリンク
https://www.office-kamiyama-tokyo.com/first-time/privacy-policy/

お問い合わせフォーム

FORM


    確認画面は表示されません。入力内容をよくご確認の上送信ボタンを押してください。

    お時間をいただき、ありがとうございました。
    ※海外の方からのG-mailは届きにくい状況にあります。こちらにメールが届いた場合には返信メ-ルが自動送信されますので、ご確認ください。お急ぎの場合はお電話でお問合せいただけると助かります。