帰化申請の面接でよく聞かれることは何かを解説します

帰化申請が受理された後、2~3ヶ月ほどすると法務局から連絡があり、面接が行われます。この面接はそれまでの法務局での相談とは異なり、帰化申請の審査に大きく影響を及ぼします。

そのため、面接で何を聞かれるのか不安な方が少なくないかと思います。そこで本ペ-ジでは当事務所で帰化申請された方からお聞きした内容をもとに、帰化申請の面接でよく聞かれることを解説していきます。

そもそもなぜ帰化申請では面接が行われるのか

通常、ビザ申請は書類審査のみで、面接は行われません。仮にあったとしても電話での確認にとどまるでしょう。これに対して、帰化申請では必ず面接が行われます。担当部署が入国管理局と法務局という違いがあるのも理由の一つですが、帰化は永住権と異なり一旦許可されると取り消しができません。そのため、帰化申請では慎重な対応が求められ、法務局は「申請者や申請内容を直接確認したい」と考える傾向があります。そのため、面接を行う理由は主に次の通りです。

【帰化申請で法務局が面接をする主な理由】

  • 申請者の実際の人柄
  • 申請内容の細部
  • 申請者の日本語能力

したがって、面接で確認される内容は上記の内容に関して確認ができるような内容になります。

なお、面接は通常配偶者の方も同席するように求められます。申請者の現在の生活状況の把握のほか、結婚の真実性も確認しているようです。

服装に関する指示や規定はありません。しかし、第一印象が面接全体に与える影響は大きく、面接の評価の7〜9割は第一印象で決まるとも言われています。そのため、できるだけ清潔感のある服装であることが求められます。不安な方はスーツで行かれるのが無難かと思います。

面接の時間は人によって大きく異なります。30分で終わった方もいれば2時間近くかかったという方もいらっしゃいました。どうやら法務局が申請する方に質問したい内容が多い場合に面接の時間が延びるようです。当事務所が把握している限り、具体的には転職が多い方や再婚歴がある方、自営業者の方は面接の時間が長くなる可能性があります。

帰化申請でよく質問されるのはどのような事か

帰化申請の面接で質問される内容は人によって大きく異なりますが、大まかには次のようになります。

【帰化申請でよく質問される大まかな内容】

  • これまでの経緯と現在の生活
  • 仕事の状況について
  • 家族について
  • 法令遵守状況
  • 年金や税金の納付状況

これまでの経緯と現在の生活

どこで生まれ、どのような経緯で来日し、現在までどのように生活してきたのかを質問されます。本人確認の意味もあるようで、当事務所がお聞きした全員の方が聞かれていました。現在の生活の状況については貯金や借金などの家計の状況についても聞かれることがあります。この流れで必ずと言っていいほど質問されるのが「なぜ帰化したいのか」という帰化の動機です。提出した動機書と矛盾がないように注意が必要です。

仕事の状況について

これまでどのような仕事をしてきたかに加え、現在の仕事の内容や職場の環境についても質問されます。具体的には会社名、業種、担当業務、年収などが確認されます。おそらくは生活や経済状況に安定性があるかの判断のための質問です。また、回答した内容が申請書の記載と一致しているかどうかをチェックされています。回答に矛盾がる場合には面接の時間が長くなる可能性があります。

家族について

申請者の家族構成や親族に関する質問が行われます。具体的には同居者がいるのか、同居者がいるとすればその人数と申請者とのについて尋ねられます。また、日本の家族だけでなく、本国の家族に関しても質問されます。その際、帰化申請に対して本国の家族がどのように考えているかを確認されることがあるようです。また、日本人の方と結婚している場合には配偶者との出会いや結婚に至るまでの経緯が問われます。

法令遵守状況

交通違反や犯罪歴など、法令を遵守しているかどうかが確認されます。過去に警察のお世話になったことがある場合、その内容について詳しく聞かれる可能性があります。この際、嘘をついたり、誤魔化したりすると不信感を持たれます。正直に話すことが大切です。正直に話すことで帰化が許可されない可能性は確かにありますが、必ずしも不許可になるわけではありません。これに対し、虚偽の申告をし、後から発覚した場合には不許可の可能性がかなり高くなります。

年金や税金の納付状況

近年、全体的に外国人の方の年金や税金の納付状況に関する審査が厳しくなってきています。その流れを受けて、税金の支払状況および公的年金の加入状況について確認されることが多くなっています。具体的には税金の未納はないか、納付時期はどうか、公的年金の支払いに問題がないかなどが確認されます。

面接の際に注意すること

法務局の面接官は申請者がが提出した書類と実際の状況との整合性を重視します。そのため、事前に申請書類をよく読み返し、ご自身の状況を把握しておくことが重要です。また、面接で嘘をつくことは厳禁です。帰化申請では書類審査や面接のほかに実態調査も行われています。前述のように誤魔化したとあとから発覚した場合には不許可のリスクが高まります。

さらに、面接官はこの面接で申請者の日本語能力も確認しています。帰化申請で求められる日本語レベルは概ね日本語能力検定でN3~N4の評価になります。これは、日常的な日本語をある程度理解できるレベルです。この確認のために、簡単な筆記試験をさせる場合もあるようです。

以下が帰化申請の面談についての解説になります。帰化申請では初めてのことも多く、不安なことも多いかと思います。当事務所がサポートいたしますので、お気軽にご連絡ください。


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