2024年現在、短期滞在ビザで来日中に配偶者ビザへ変更することはできるのか

交際している方が短期滞在ビザで来日している間に「日本人の配偶者等」へ変更することでそのまま日本に滞在できるとわざわざ一度帰国する必要がないため、非常に経済的です。

そのため、短期滞在からの変更を希望するお問い合わせは以前から多くあります。インターネット上で検索してみても様々な情報が出てきます。

この点、2024年から短期滞在ビザで来日中に配偶者ビザへと変更することにつき、入国管理局の対応がこれまでと変わってきたように思えます。そのため、本ペ-ジでは”2024年現在、短期滞在ビザで来日中に配偶者ビザへ変更することはできるのか”について記載していきます。

入国管理局は短期滞在ビザから他のビザへの変更を原則として認めていません

まず、前提として入国管理局は短期滞在ビザから他のビザへの変更を原則として認めてはいません。出入国管理及び難民認定法、通称入管法には在留資格の変更について次のように記載されています。

入管法20条3項但書
”短期滞在の在留資格をもつて在留する者の申請については、やむを得ない特別の事情に基づくものでなければ許可しないものとする。”

このように条文に明記されているため、”やむを得ない特別の事情に基づくもの”でなければ短期滞在ビザから他のビザへの変更はできません。しかし原則はそうだとしても、逆に言えば”やむを得ない特別の事情に基づくもの”であれば短期滞在ビザから他のビザへの変更ができると言えます。

実際、2019年ごろまではこの”やむを得ない特別の事情”に関する入国管理局の対応は緩く、短期滞在から就労ビザの変更もできていたのも事実です。この際に取られていた手法は、短期滞在している間に「在留資格認定証明書交付申請(COE)」を行い、その交付を受けることができれば、その認定証明書を変更申請書に添付して「在留資格変更許可申請」を行うというものでした。おそらくは、すでに「在留資格認定証明書」の交付を受けているのにわざわざ一度帰国し、再度入国しなければならないとすると時間的・経済的な負担が大きいとして日本に滞在する間に変更申請することを”やむを得ない”と判断していたのでしょう。

しかし、現在は短期滞在から就労ビザへの変更はできません。2020年の東京オリンピックの際、入国管理局は、開催前から多くの外国人の方が来日することを見越して入国の審査基準を見直しを行いました。この際に短期滞在ビザから就労ビザへの変更はできなくなりました。結局、2020年の東京オリンピックはコロナの影響で海外からの観光客の受け入れは行われず、原則として無観客で開催されましたが、オリンピック後もこの運用に変更はありません。このように何をもって”やむを得ない特別の事情”というのかは入管の裁量によるため、特別な事情と認められる基準が変わってしまうとこれまで認められていたことが許可されなくなる場合があり得ます。

2024年現在、短期滞在ビザから配偶者ビザへ変更はできるのか

就労ビザのこのような取り扱いに対し、短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更では2020年以降も”やむを得ない特別の事情に基づくもの”と判断される場合がありました。例えば次のような場合です。

【これまで”やむを得ない特別の事情に基づくもの”と判断されやすかった場合】

  • 短期滞在中に婚姻届けを提出した場合
  • 短期滞在中に出産した場合
  • 子どもがまだ幼い場合
  • 重病の日本人配偶者を介護する場合

上記のような場合は”やむを得ない特別の事情に基づくもの”として、これまでは変更申請が認められる場合は多くありました。しかし、2024年中頃あたりから、”なぜ短期滞在から変更することを選んだのか”を今までよりも合理的に理由書で説明することが求められるようになりました。

おそらく、入国管理局が”本来認められないはずの短期滞在ビザから配偶者ビザへの変更の申請が多すぎる”と判断するようになったのではないかと思います。最初から配偶者ビザに変更する目的で短期滞在しているのではないかという疑いを持つようになったのでしょう。つまり、”やむを得ない特別の事情”と判断してもらえる基準が厳しくなったと言えます。

このような事情から、短期滞在の目的が「観光」や「商用」の場合に短期滞在ビザから配偶者ビザへ変更するのは相当厳しくなりました。最低限、短期滞在の目的が”知人訪問”などであることが求められます。

また、以前から短期滞在からは配偶者ビザへの変更には短期滞在の期間は90日が許可されていることが必要でした。これは2ヶ月前後で「在留資格認定証明書交付申請」の審査が終わり、認定書の交付を受ける事ができたためです。そのため、90日間日本に滞在できれば時間的に変更申請することは可能でした。

しかし、現在、入国管理局の審査の審査期間が徐々に長くなっています。今では「日本人の配偶者等」の「在留資格認定証明書交付申請」の審査には4ヶ月前後かかることが少なくありません。特に東京入管に申請する予定の場合にはその可能性がかなり高くなります。「在留資格認定証明書交付申請」の場合には「在留資格変更許可申請」や「在留資格更新許可申請」のような最大2ヶ月在留が許可される特例期間もありません。短期滞在の期間満了前に一度帰国する必要があります。結論として、短期滞在の期間中に在留資格認定証明書の交付を受けられるかは以前よりもさらに運任せの部分が大きくなります。

以上の事から、2024年現在、短期滞在ビザから配偶者ビザへ変更はできるのかについては、不可能とまでは言えないが、これまでより条件がかなり厳しくなったという事ができます。短期滞在ビザから配偶者ビザへ変更が不許可になった場合、一度帰国してから認定証明書の有効期限である3ヶ月以内に再度入国する必要があります。また、後に永住許可や帰化をお考えの場合にはこの不許可が審査に影響する場合も考えられます。そのため、当事務所では今後はよほどの事情のない限りは原則通り在留資格認定証明書で入国することをお勧めいたします。


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