企業内転勤2号ビザが新設されることが決まりました

改正前

一 本邦に本店,支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行うこの表の技術・人文知識・国際業務の項の下欄に掲げる活動

改正後

一 本邦に本店,支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行うこの表の技術・人文知識・国際業務の項の下欄に掲げる活動

【新設】
二 本邦に本店、支店その他の事業所のある公私の機関(当該機関の事業の規模、本邦の事業所における企業内転勤受入れ体制等が技能、技術又は知識(以下この号及企業内転勤および四の表の研修の項の下欄において「技能等」という。)を適正に修得させることができるものとして法務省令で定める基準に適合するものに限る。)の外国にある事業所の職員が、技能等を修得するため、本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において講習を受け、及び技能等に係る業務に従事する活動(前号に掲げる活動及びこの表の育成就労の項の下欄に掲げる活動を除く。)

2024年6月、いわゆる入管法の改正により「企業内転勤2号」ビザが新設されることが決まりました。企業内転勤ビザは、子会社や関連企業を含む海外に本社がある企業から日本にある支店などへ一定期間転勤や出向をする場合に取得できるビザです。本ぺ-ジではこの「企業内転勤2号」について記載していきます。

「企業内転勤」はどのようなビザか

「企業内転勤」のビザではその転勤した事業所で「技術・人文知識・国際業務」と同じ内容の活動を行うことができます。国際的企業で、日本で新たに外国人を採用するよりも海外にある子会社や関連会社から経験のある外国人社員を日本に転勤させたほうが即戦力となるような場合に取得します。

「企業内転勤」と「技術・人文知識・国際業務」との最大の違いは「企業内転勤」ビザでは「技術・人文知識・国際業務」と異なり学歴や実務経験が問われない点です。「技術・人文知識・国際業務」では行う予定の職務内容と申請する方の学歴・経歴とに関連性が求められます。これが要求されないのは非常に大きなメリットとなります。

反面、「企業内転勤」では日本の会社と外国会社との資本関係などを証明する書類の提出が必要になり、その翻訳作業も発生します。この作業が大変で、場合によっては条件を満たしていても「技術・人文知識・国際業務」で呼ぶ方が手続きがにかかる負担が少ない場合もあります。

「企業内転勤」ビザを取得するためには、転勤の直前に外国にある本店などで次のような条件をクリアする必要があります。

No.大まかな条件
(1)「技術・人文知識・国際業務」に該当している場合でその期間が継続して1年以上あること
(2)日本人が同じように働いた場合と同等額以上の報酬を受ける契約内容であること

なお、企業内転勤ビザは、あくまで外国から一定期間日本にある事業所に転勤される方が対象のビザです。そのため、日本に在留する期限が定められていない場合にはこのビザを取得することはできません。

「企業内転勤2号」はどのようなビザになる予定なのか

前述のように、これまでの「企業内転勤」では転勤により日本で即戦力になる方を前提にしていました。そのため、外国に本社がある会社が、新たに雇用した人材に日本の支社で研修やOJTによりスキルを身に着けてもらい、一定期間後にに本社に帰任する場合などにはこのビザを使用することはできませんでした。

一応「研修」というビザもありますが、このビザは日本の技術を修得して本国へ持ち帰るためのビザです。日本で就労するためのビザでありません。「技能実習」に近い、国際的な協力や貢献を目的としたビザになります。

今回の改正のポイントの1つ目は、日本への転勤の目的が”技能等を修得するため”とされていることです。これにより、前述のような今までの「企業内転勤」では認められなかった研修目的での利用が「企業内転勤2号」であれば可能になります。

また、「技術・人文知識・国際業務」はいわゆるホワイトカラーの方を対象とする在留資格です。そのため、現場での作業といった単純作業をすることは原則としてできません。この点、職務内容を「技術・人文知識・国際業務」と同じくする「企業内転勤」も同様です。

今回の改正のポイントの2つ目は、”講習を受け、及び技能等に係る業務に従事する活動”が日本で認められる活動範囲とされていることから、ディスクワークだけでなくOJT、つまりは実際の現場業務を行うことが可能になる点です。ただし、どんな業務でもできるわけではなく、育成就労(旧:技能実習)で既にある建設業や製造業分野などの現場作業までは対象にならないと考えられています。内容が重複してしまい、制度が複雑化する恐れがあるためです。

具体的な内容はこれから決定されます

現時点で公開されているのはここまでに記載したように概要だけになります。取得のための具体的な基準などはまだ決定されておらず、公開されていません。

2025年までには基本方針が作られる予定になっています。同時期に新設が決まった「育成就労」制度が2027年実施予定であるため、それに合わせて順次内容が決定され情報が公開される流れになるかと思います。新しい情報が出ましたら、順次ページを更新していく予定です。続報をお待ちください。


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