高度専門職ビザを取得するために必要な年収とその立証のための提出書類について解説します

「高度専門職」は永住許可要件の年数緩和や現行法上最長の在留期間5年が付与されるなど、入管法上様々な恩恵を受けることのできる在留資格です。

こののビザは「高度人材ポイント計算」で70点以上の方が取得することができます。ポイント計算の項目は学歴や職歴、日本語能力など多岐にわたりますが、その中で最も配点が高いのが”年収”に関する項目です。

この”年収”に関する項目では年齢が若く、年収が高額であればあるほど高い得点が付与されます。具体的には以下の表のようになります。

~29歳~35歳~40歳未満40歳以上
1,000万以上40404040
900万~35353535
800万~30303030
700万~252525
600万~202020
500万~1515
400万~10

例えば34歳で年収750万円の方は25ポイント取得することができます。年齢が42歳で年収が810万円の方は30ポイントです。「ー」に該当する方はこの項目でポイントを得ることはできません。

”年収”の考え方について注意すべき事柄はこの”年収”にはどのようなものが含まれるか、またいつの時点の年収で計算するのかということの2点になります。以下、それぞれについて記載していきます。

”年収”にはどのようなものが含まれるか

年収というと一般的には1年間の総支給額のことを指しますが、「高度専門職」の申請における”年収”は若干意味が異なります。ここでいう”年収”に含まれるのは次のようなものになります。

【高度専門職の年収に含まれるもの(例)】
・基本給
・役職手当
・賞与(確定しているもののみ)
※年俸制の場合は年俸

賞与は確定している額のみ年収に加えることができます。「業績に応じて支給」される賞与については金額が確定していないため原則として年収に含めることはできません。したがって、基本的には高度専門職の審査でいう年収は1年間に支給される”基本給と確定している賞与の合計金額”になります。

年収には税金を引かれる前の「額面」と税金を引かれた後の「手取り」の2つの考え方がありますが、高度人材ポイント計算で用いるのは「額面」です。この年収は契約機関から1年間に受け取るであろう報酬の合計になります。報酬は「従業員が提供するサービスに対しての対価」ですから、それ以外の手当ては年収に含められません。具体的には次のようなものは年収に含まれません。

【高度専門職の年収に含まれないもの(例)】
・通勤手当
・扶養手当
・住宅手当
・時間外労働手当(残業代)
・賞与(※業績に応じて支給されるもの)

通勤手当や住宅手当、その他の補助費用は「従業員が提供するサービスに対しての対価」としてもらっているものではなく、「実費の補填」としての性格を持ちます。そのため高度専門職ビザの収入に含めることはできません。

残業手当は「従業員が提供するサービスに対しての対価」ではありますが、実際にどの程度の超過勤務が生ずるかは不確かであることからやはりポイント計算の「報酬」には含むことができません。ただし、月額給与に組み込まれている固定的な残業代の場合にはその金額を”年収”に含むことができます。

また、在留期間更新の場合も、ポイント計算の”年収”は予定年収に基づいて判断するので、過去に支給された「時間外労働手当」は含みません。なお、ここに記載した内容でも課税対象となる場合には年収に含めることができます。

いつの時点の年収で計算するのか

次に、いつの時点の年収で計算するのかという点についてです。高度専門職ビザの申請でいう年収は、見込み年収になります。過去の年収ではありません。この点が、通常の就労ビザの審査と大きく異なります。

そのため2024年11月1日に申請する場合を例にとると、2024年11月1日から翌年2025年10月の期間の「給与見込証明書」を会社から発行してもらい、そこに記載されている金額でポイント計算をすることになります。2024年の課税証明書および納税証明書がこの「給与見込証明書」の真正を担保する根拠になります。したがって、高度専門職ビザの申請で年収を証明する場合には次の書類が必要になります。

【2024年11月に高度専門職ビザを申請する場合の年収を証明する書類(例)】

・勤務先が発行する「2024年11月~2025年9月の期間の給与見込証明書」
・市区町村が発行する「2024年度の住民税課税証明書(2023年の所得額、課税額が記載されたもの)」
・市区町村が発行する「2024年度の住民税納税証明書(未納ないもの)」

なお、年収が300万円以下の場合は、他のポイントで70ポイント以上あっても高度専門職ビザは認められません。そのため、年収を高度人材のポイント計算に用いない場合でも年収が300万円を下回っていないことを証明するために「給与見込証明書」を提出する必要があります。したがって、「高度専門職」の申請を検討する場合には事前に会社に相談して「給与見込証明書」を発行してもらうことが重要です。


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