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帰化申請は外国人の方の在留資格関係の申請の中でもかなり特殊な申請になります。
帰化許可申請の申請先は、入国管理局ではなく住所地を管轄する法務局または地方法務局です。そのため、帰化申請をお考えの方がこれまで保有してきた在留資格の申請手続きとは大きく異なる点があります。
そして、帰化申請では通常の在留資格の申請に比べて多くの書類を作成する必要があります。その際、前述のように管轄する役所がことなるため、帰化申請特有のルールに注意しなくてはなりません。
そこで、このページでは東京法務局の発行している手引きを参考に、帰化申請で書類を作成する際の注意点に関して記載していきます。なお、提出する書類はおおまかに以下のように分類できます。このペ-ジでは①の作成が必要なものについて解説しています。
【帰化申請の提出書類】
①.作成が必要なもの
②.公的機関から取得するもの
③.免許証などのもともと手元にあるもの
まずは申請書類作成に共通する基本ルールを説明していきます。
書類への記入は黒インクのペン又はボールペンを使用します。フリックション等の消せるボールペンや鉛筆で作成したものは認められません。文字を誤った場合、取消線を引いた上、修正するようにしてください。この際、修正テープや修正液は使用しないでください。なお、動機書は手書きで作成する必要がありますが、他の書類に関してはパソコンを用いて作成することができます。
書類は原則として正本および副本の2通を提出します。提出する書類に外国語表記のものがある場合にはA4サイズの訳文を提出する必要があります。この際、一部分だけの翻訳は認められません。全文を翻訳する必要があります。また、この翻訳には翻訳した方の氏名、住所及び翻訳年月日を記載してください。
パスポートや免許証等のように原本を提出できないものについては、コピーなどの写しを2部提出します。このコピーは用紙の真ん中にしてください。提出後、法務局で提出した書類は左側で綴じられるためです。拡大縮小したものは認められません。また、提出する際に原本と照らしあわせて内容の確認がされますので、提出の際に原本を持参する必要があります。
記載する際、年号は和暦で記載します。西暦での記載は認められません。住所表記は○○番○○号というように記載します。住民票の記載を使用してください。ハイフンをは用いません。
提出する書類は人によって異なります。法務局での初回相談の際、法務局の担当者の方から指示されます。提出する際、書類はホームページの帰化相談必要書類の確認表の順に並べて提出します。
このように、在留資格の申請で入国管理局に提出した場合と異なり、法務局はこの書類作成のルールに関してかなり細かく厳しいのが特徴です。規定に反する書類は再度作成するよう指示されます。この場合には再度予約が必要になり、許可が出るまでの期間が1~2ヶ月は伸びてしまいます。ご注意ください。
東京法務局webサイトより
在留資格の申請の場合と異なり、申請年月日欄は本申請の際に法務局の担当官の前で記載します。空欄のままにしておいてください。
用意する写真は申請前6ヶ月以内のものを使用してください。サイズは5㎝×5㎝という特殊な形になります。写真屋等を利用するのが良いと思います。なお、この写真は申請書に貼らずに2枚持っていきます。
国籍は、パスポートに記載されている国名を記載してください。
出生地は、在留資格の申請の場合と異なり、市までではなく地番まで記載します。住所にマンション、アパート等が含まれる場合、マンション名、アパート名及び部屋番号まで記載してください。出生届書や出生証明書がある場合にはそこ記載されている病院の住所を転記すると良いでしょう。なお、出生届の記載事項証明書は住所を管轄する法務局で取得することができますが、この証明書の取得には1ヶ月ほどかかります。
氏名は本名で漢字もしくはカタカナで記載します。アルファベットは使用できません。中国の簡体字や台湾の繁体字については日本の漢字に変換して記載します。通称名の欄は市役所で登録された名前がある場合に記載します。
生年月日は日本の年号(大正・昭和・平成・令和)で記載します。
父母の氏名は、氏、名の順序で漢字・ひらがな又はカタカナで記載してください。ここでも中国の簡体字や台湾の繁体字については日本の漢字に変換して記載します。
帰化が許可されると、戸籍が作成されます。”帰化後の本籍”や”帰化後の氏名”の欄に記載するのは帰化後に使用する予定の本籍及び氏名です。本籍とは戸籍を管理する場所の事を指します。原則として自由に定めることができますが、帰化許可後の変更は原則として認められませんのでご注意ください。
基本的には現住所を本籍地にしますが、その場合には役所の戸籍係に表記の確認をすることをお勧めします。同じ場所でも本籍と住所で表記が異なる可能性があるためです。なお、( の氏)の欄は日本人の配偶者の方が申請する場合や、ご夫婦で同時に帰化申請をする場合に記入します。
申請者の署名は受付の際に担当官の前で自筆で記入します。空欄のままにしておいてください。
東京法務局webサイトより
この書面は日本在住の親族と、外国在住の親族とに用紙を分けて2通作成します。”居住区分”は書面の内容が日本の場合には日本の前にある□を■に塗りつぶし、外国の場合には外国の前にある□をものを■に塗りつぶします。
主に申請者以外の配偶者、親、子、兄弟姉妹、配偶者の両親を記載します。
内縁の夫や妻、婚約者の記載も求められます。また、現在交流がない方やすでに亡くなられている場合にも記入する必要があります。
”続柄(つづきがら)”は帰化申請の申請人の方との関係の事です。”妻”、”父”や”母”、”長女”や”長男”の様に記載します。
氏名の欄は帰化許可申請書と同様に氏、名の順序で漢字・ひらがな又はカタカナで記載してください。中国の簡体字や台湾の繁体字については日本の漢字に変換して記載する点も同様です。
職業の欄は会社員、会社役員、経営者、アルバイト、無職のように記載します。学生の場合には大学生や高校生の様に学生区分を記入します。医師や弁護士等の専門職の場合にはその職業を記入します。
住所の欄はハイフンは使用せず、〇丁目〇番〇号の様に記載し、アパート名やマンション名、部屋番号まで記載してください。住民票の記載と同様であることが理想です。帰化申請の申請人の方とご一緒に住んでいらっしゃる場合には「同居」と記入します。なお、海外在住の親族一覧の場合には国名から記入する必要があります。また、(□ 年 月 日亡)の欄は該当する親族の方が亡くなられている場合に使用します。□を■に塗りつぶし、亡くなられた日を記入してください。この場合、最終的にお住まいであった住所を記載する必要はありません。また享年や生前の職業の記載も不要です。
交際状況等の欄は該当する□を■に塗りつぶします。交際の有無は帰化申請する方と現在交流があるかどうかという意味です。交流は年末年始等にに定期的に挨拶する程度の間柄でも交際有りとして問題ありません。帰化意志の欄はその親族の方が将来的に帰化を希望するか否かの確認です。日本人の方やすでに帰化されている方は空欄にします。
意見の欄は帰化申請の申請人の方が帰化することにつきどのように考えているかを記入します。
電話番号の欄に記入した番号に法務局が電話をかけることがあるため、一応連絡のつく番号を記載してください。最後の年月日の欄は帰化申請をした方のみ記載します。帰化している場合には国籍取得の年月日を記入し、帰化申請中の場合は申請した年月日を記入します。
東京法務局webサイトより
帰化申請の際に提出する履歴書は(その1)(その2)の2種類があります。
履歴書(その1)の「年」については、”昭和”や”平成”日本の元号で記載します。ここに記載する内容は出生から現在に至るまで空白の期間がないように注意しながら記載していきます。一般的な履歴書と異なり出生から記載する必要がある点に注意してください。
学歴・職歴の欄の学歴は通常〇〇小学校入学や同校卒業の様に記載します。大学の場合には学部まで記入してください。転校、中途退学についても記載します。
学歴・職歴の欄の職歴には勤務先だけではなく”営業担当”のように職種まで記入してください。また、課長等の役職に就いた場合にはその旨も記載します。この職歴には本国での職歴や日本に入国した後に行ったアルバイト歴も含みます。
身分関係に記載するのは出生、結婚、出産、両親の死亡などです。結婚は法律婚だけでなく、事実婚の場合にも記入が必要です。
履歴書(その2)には帰化申請の居住要件の期間分の出入国歴を記入します。古いものから順にパスポートの査証欄のスタンプを参考にすると良いでしょう。ただし、出入国が多い場合には入国管理局で出入国履歴の開示請求書を行ってください。この開示請求は1ヶ月ほどかかります。出国日数は帰国日ー出国日+1日になりますのでご注意ください。目的の欄には”会社の同僚と観光旅行”や”会社の部下と出張”の様に記載します。
技能資格の欄には運転免許と日本語能力試験の有無について記載します。様式の変更により他の技能資格を所持していても記載できません。
使用言語欄は、母国で親族・友人との間で主に使用している日本語以外の言語 を”韓国・朝鮮語、中国広東語”のように記載します。
賞罰欄については、過去から現在までの交通違反歴などの記録と警察からの感謝状等を全て記載します。交通違反歴は自動車安全運転センターで運転記録証明書を取得し、転記してください。この証明書の交付にはおよそ1~2週間程かかります。
確認欄には法務局が使用する欄であるため、こちらでは何も記載しません。
東京法務局webサイトより
帰化の動機書には「なぜ日本国籍を取得したいのか」を申請する方が直筆により日本語で記入します。
記載する内容は以下のような内容が一般的です。
【動機書に記載する一般的な内容】
①来日に至った経緯や理由
②来日後の学歴や職歴
③結婚や離婚、子供の誕生など日本での生活について
④現在の仕事の状況や今まで行ってきた、又は今後行っていく日本社会へ貢献
⑤前科や法律違反がないこと、公的義務を果たしていること
⑥日本国籍を取得しようと思った理由と帰化申請が許可された後の日本での生活の予定
動機書に記載した内容は法務局の審査官に申請人の方がその場で読み上げるよう指示される場合があります。おそらくは本人に直筆することと併せて帰化申請に求められるレベルの日本語能力を確認しているのだと思われます。
また、インターネットで検索すると多数の帰化動機書の記載例が出てきますが、この内容を参考にするならまだしも、そのまま使用するのは避けましょう。前述の様に、この動機書の作成により日本語能力のチェックも兼ねているため、その点を疑われる可能性が高くなります。その気になれば審査官の方が動機書内容を理解しているかどうかの確認も容易であるため、たとえ日本語が不安な方でもご自身の言葉を用いて作成する方が良いでしょう。
なお、15歳未満の未成年や特別永住者の方はこの動機書の提出は不要になります。
宣誓書は”私は、日本国憲法及び法令を守り、定められた義務を履行し、善良な国民となることを誓います”と書かれた書面です。帰化申請書類提出時に法務局の窓口で日付と氏名を記載します。そのため、事前に準備する必要はありませんが、作成書類とされているため一応記載しています。この宣誓があるため、帰化申請では15歳未満の方を除き本人以外が申請することはできません。
東京法務局webサイトより
生計の概要の書面も(その1)(その2)の2枚があります。
(その1)の書面には帰化申請をする方とその配偶者の方、その他日常生活を送るための家計を同じくしているご家族の収入、世帯の支出を各科目ごとに記載します。
月収の欄に記載する金額は申請の前月分について記載します。この月収は単なる給与だけでなく役員報酬や不動産収入なども含みます。記入する金額は税金や保険料を差し引いた、いわゆる手取り額です。事業収入の場合は前年度の確定申告額を12等分したものになります。
種目の欄には”給与(株)〇〇”のように後ろに会社名を記載します。前述のように月収に給与以外も含むため、種目は給与、役員報酬、事業収入、不動産収入、年金などを記載します。
収入の備考欄には勤務開始日や会社設立日等を記載します。
支出の返済金の項目には住宅ローンを含みます。住居費ではありません。水道代・光熱費はその他の項目になります。
この書面作成の際、月収の合計と支出の合計が一致するかどうか確認してください。またこの書面では作成年月日を事前に記入します。
(その2)の書面に記載するのは所有している不動産屋や、預貯金、有価証券といった保有資産になります。
不動産は不動産の登記事項証明書を参考に記載してください。種類の欄には”宅地”や”共同住宅鉄筋コンクリート造”のように記載します。不動産を所有している場合は、土地・建物の登記事項証明書を提出してください。
時価等の欄に記載する金額は近隣の中古相場を参考にした大体の金額で大丈夫です。
所有している不動産は国外の物も記載します。その場合、( 在日不動産 )〇〇、( 在日不動産 )〇〇のように記載します。
預貯金は通帳の口座情報を参考に”〇〇銀行〇〇支店”のように記載してください。この欄に記載をした場合、通帳のコピーを提出します。
株券・社債等の欄は”株券 〇〇株”、”社債〇〇口”のような記載で大丈夫です。評価額はこの書面作成日の金額をネットや新聞で確認してください。
高価な動産欄については、おおむね100万円以上のものを記載します。評価額は大体の物で構いません。
東京法務局webサイトより
この書面は申請人の方や配偶者の方、もしくは生計を共にする方が個人事業主や会社経営者や会社役員であった場合に提出する書類です。一部の方のみ対象となるため、簡単に記載します。
この書面を作成する場合、記入内容が非常に多く複雑なため、会社の登記事項証明書や決算報告書などを手元に置いて確認しながら記載すると良いでしょう。
法務局も申請内容を確認する必要があるため、この書面を提出する場合、個人事業主であれば確定申告書の控え、会社経営者や会社役員の場合には決算報告書(貸借対照表及び損益計算書)等の写しを添付します。。
また、法人の場合にはその法人の登記事項証明書を、許可認可を要する事業を経営している方は、官公署の長が証明した証明書の写しの提出も必要になります。
東京法務局webサイトより
自宅、勤務先それぞれについて目標、最寄りの交通機関、駅名、停留所からの所要時間、経路等を記載します。例えば勤務先なら次のように記載します。
【記載例】
所在地 立川市柴崎町2-5-3
SOHOプラザ立川
神山行政書士事務所
中央線立川駅南口より徒歩5分
この他に最寄りの交通機関からの会社までの簡単な地図を作成し、経路を説明します。地図は手書きで作成してもかまいませんが、グーグルマップで経路をつけて貼り付けることでも代用できます。
また、過去3年のうち転居や転職等がある場合にはそちらの内容の書面も併せて作成する必要があります。
正式に申請の代行などをご依頼いただくまでご料金は発生しません。ある程度までは無料でご質問にお答えいたしますので、まずはお気軽にご連絡ください。
メールは24時間土日・祝日も受け付けています。メール受付後、1~2営業日以内に担当者よりご連絡いたします。
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【受付時間】10:00~19:00
[平日19:00以降、土日祝日は事前予約制 ]