製造分野での特定技能ビザでも通常の条件の他に申請前に協議・連絡会に加入しておくことが求められます

在留資格”「特定技能」(3)建設分野における上乗せ規制”のページでも記載しましたが、「特定技能制度」は一定の専門性・技術性を有し即戦力となると考えられる外国人の方を受け入れることによって人手不足が深刻となっている特定の産業分野の人手不足に対応するためのものです。

このビザの最大の特徴は「技術・人文知識・国際業務」ビザなどでは行えない単純労働を含めむ幅広い業務を行うことが可能な点にあります。

特定技能ビザには「特定技能1号」と「特定技能2号」とがありますが、「特定技能2号」は「特定技能1号」をお持ちの方でさらに監督・指導者として一定の実務経験を積んでいる方が対象になるため、このページでは「特定技能1号」を中心に記載しています。

「特定技能1号」は、特定産業分野に関して、”相当程度の知識や経験が必要な技能を持つ”外国人の方向けの在留資格です。

この”相当程度の知識や経験がある”かどうかは特定技能に関する技能試験等に合格しているか、又は技能実習2号を良好に修了していて、技能実習の職種・作業内容と特定技能1号の業務に関連性が認められる場合に”相当程度の知識や経験がある”と判断される点は通常の特定技能ビザと同様になります。

以前は製造業分野は特定活動1号のみが認めれていて特定活動2号は対象外とされていましたが、令和5年6月に製造業分野も特定活動2号の対象内にする閣議決定がされました。

このため、製造業での外国人の方のキャリアアップは、1~4年目で鋳鉄鋳物鋳造、普通旋盤等の単能工として「技能実習」の在留資格で働き、4年目~10年目は「特定技能1号」の在留資格で機械金属加工、電気電子機器組立て、金属表面処理の区分内で技能 実習時以外の技能を身につけて多能工となり、10年目以降で「特定技能2号」の在留資格で複数の熟練した技能を身につけ熟練工となって複数作業者のリーダーとして勤務し、さらにその後数年かけて作業工程の管理、品質 管理、原価管理等を身につけ、いずれは製造現場のマネジメント層や工場長として現場を支える存在となるといったプランが可能になりました。

なお、製造業分野で特定技能外国人を受け入れ可能な事業所は以下の事業者のみになります。

【製造業分野で特定技能外国人を受け入れ可能な事業所】
・鋳型製造業(中子を含む)
・鉄素形材製造業
・非鉄金属素形材製造業
・機械刃物製造業
・作業工具製造業
・配管工事用附属品製造業(バルブ、コックを除く)
・金属素形材製品製造業
・溶融めっき業(表面処理鋼材製造業を除く)
・電気めっき業(表面処理鋼材製造業を除く)
・金属熱処理業
・その他金属表面処理業(ただし、アルミニウム陽極酸化処理業に限る。)
・ボルト・ナット・リベット・小ねじ・木ねじ等製造業
・はん用機械器具製造業(ただし、2591消火器具・消火装置製造業を除く。)
・生産用機械器具製造業
・業務用機械器具製造業(ただし、274医療用機械器具・医療用品製造業、276武器製造業を除く。)
・電子部品・デバイス・電子回路製造業
・電気機械器具製造業(2922内燃機関電装品製造業を除く。)
・情報通信機械器具製造業
・工業用模型製造業

また、建設業の建設技能人材機構(JAC)と同様、製造業にも「製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会」があり、製造業で特定技能外国人を受け入れる機関(企業)は、 出入国在留管理庁への在留諸申請前に必ず加入する必要があります。

「製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会」の主な役割は、特定技能外国人の受入れに係る制度の趣旨や優良事例の周知や特定技能所属機関等に対する法令遵守の啓発などです。

加えて、特定技能外国人材が従事できる業務区分は、現場の多能工化のニーズを受け現場の実態に沿った制度となるように技能の関連性と業務の連続性を考慮し、これまで19区分に分かれていた業務区分が3区分に統合されました。

具体的には鋳造や鉄工、塗装といった「機械金属加工」と機械加工や電気機器組立てのような「電気電子機器組立て」、めっきやアルミニウム陽極酸化処理などの「金属表面処理」の3つの区分になります。

最後に製造業特定技能2号について簡単に触れておきます。製造業特定技能2号に求める人物像は、”実務経験等による熟練した技能を持ち、現場の作業者を束ねて指導、 監督ができる人材”です。

そのため、この製造業特定技能2号を取得するためには、日本国内に拠点を持つ企業の製造業の現場での3年以上の実務経験を有する方がビジネス・キャリア検定3級を取得しさらに製造分野特定技能2号評価試験に合格するか、製造業の現場での3年以上の実務経験を有する方が技能検定1級を取得する必要があります。

なお、令和5年11月に初回の2号評価試験が実施しされましたが、その合格率は「機械金属加工」の区分が65.8%、「電気電子機器組立て」の区分が28.0%、「金属表面処理」の区分が0%でした。


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