在留期間経過後の特例期間とは | 神山行政書士事務所

在留期間経過後の特例期間について解説します

（１）そもそも特例期間とは

ビザの更新や変更の申請をしてもすぐに更新・変更が許可されるわけではなく、少なくとも2～3週間程の時間がかかります。

そのため、在留期間満了の直前に申請するとその申請の審査中に在留期間が過ぎてしまう可能性があります。更新・変更まで明確に”何日”と定められているならまだしも、行政の対応次第で適法になったり違法になったりするのは不合理です。

そこで、在留カードを所有する外国人が、在留期間更新許可申請または在留資格変更許可申請をし、受理されると、

①.その申請結果が出るまで
②.元の在留期限日の2ヶ月後まで

のいずれか早い時までの間は、在留期間経過後にもかかわらず特例として適法に日本に在留することができます。この期間のことを特例期間と言います。特例期間については申請が受理された後に渡される受付票の裏面にも説明書きがあります（受付票は結果の受取りの際に必要になるため、紛失防止のため通常は申請窓口でパスポートにクリップ止めされていたりします）。

この特例期間が法的に認められたことにより、入国管理局は在留期間満了後2カ月の期間内に審査を終了させる必要があるとされています。したがって、この制度は実質的には在留期間満了後、審査結果が出るまでの間の期間を特例として適法な滞在として扱われると考えてよいと思います。

（２）特例期間中にできる事

この特例期間は元の在留資格の活動を継続して行うことができます。例えば、在留期間更新許可申請に係る在留資格が就労可能なものであれば引き続き同じ職務内容での就労は可能です。ただし、更新申請ではなく、変更許可申請の場合で、従前の在留資格に係る在留資格該当性が喪失しているような場合には従前の就労資格をもって就労することはできません。

また、在留期間経過前に取得していた資格外活動許可についても特例期間中も有効です。そのため、申請前から行っているアルバイト等も引き続きこの資格外活動許可で行うことができます。

ただし、「留学」の包括的資格外活動許可は原則として留学の在留資格に該当している活動内容を行っていることが前提の許可です。したがって、卒業等で教育機関に在籍しなくなった時点で効力を失う点には注意が必要です。

（３）特例期間中の許可、不許可

特例期間中に更新が許可となった場合、元の在留期限の翌日から新たな在留期間のカウントが開始されます。

これに対し、特例期間中に不許可となった場合には出入国在留管理局から出国準備のための「特定活動」ビザへ変更するよう促されます。

在留期間が過ぎた申請の結果通知書に手数料4,000円が記載されていた場合、更新の許可手数料の場合である他に、この特定活動への変更申請手数料の可能性があります。このため、在留期間が過ぎている場合の結果通知書はそれのみで許可の可否を判断することはできません。

ここで入管の指示通りに特定活動のビザに変更すれば直ちに不法滞在（オーバーステイ）にはなりませんが、仮にこれに従わない場合、その時点から直ちに不法滞在になります。必ず入国管理局の指示に従うようにしてください。特定活動ビザへ変更すると、通常は30日か31日の在留期間を与えられ、その間に日本を出国することになります。

（４）最後に

この特例期間の適用は、30日を超える在留期間を決定されているビザに対して認められているものです。そのため、短期滞在等で30日以下の在留期間が決定されているものについてはこの特例の適用はありません。

また、この特例は申請が入国管理局で受理されていることが必要です。在留期限直前に書類を持ち込んでも提出が必要な書類などが不足している等の理由で受理されないこともあります。更新申請であれば在留期間満了の3か月前から申請が可能です。早めに準備しておきましょう。